内容説明
山奥で野人のように暮らしていた“足弱”は、初めて上京した都で、今世王レシェイヌの庶子の“兄上さま”だと発見され、宮殿に保護される。国土に緑をもたらす奇跡の力を持つ王族は、血族しか愛せない宿命。しかし流行病により、今や生き残っているのは今世王ただひとりだった。孤独のために死にかけていた今世王は足弱に夢中ですがりつき、愛を捧げる。王族命の家臣一族「灰色狼」もまた、足弱に尽くそうとする。自分が王族だとは思えない足弱は耐えられず、ついに宮殿をあとにしようとするが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
幾子
54
★★★個人的に自分がBL好きだったことに感謝するくらい好みな本。大地に緑をもたらす王族、最後の生き残りの王レシェイヌとその兄で野人の足弱。そして彼らを護る灰色狼達の深い愛と献身の話。兄同様、狼達の名前が好き(*^^*) 弟の異常ともいえる執着や胸を締めつけられるような展開の中、思わず笑ってしまうようなほのぼのシーンもあり、足弱が少しずつ幸せになっていくのを楽しんでたのでラストが衝撃的…。ネットでの公開はそのままですが、書き下ろしとイラストも大変素晴らしいので書籍購入おすすめ。下巻につづく。2017/03/25
マリリン
42
緑土なす力を持つ王族の宿命は血縁しか愛せない。孤独の中血縁を探す今世王レシェイヌ。探しだした血縁の兄足軽(ラフォスエヌ)は、山奥で蛮人生活という真逆な人生を歩んできたという生い立ちが、交わりに魅力的な色彩を添える。狼狽しつつ後押しする灰色狼達も。王族にはその華やかさ故謀反という言葉が似合う。ファンタジー感の中に潜む表現は言葉に色香を欠くものの、独特なプロットには惹かれる。その後の展開がきになるが、400㌻弱の二段組は目には優しくないが面白い作品だった。続編を読むには覚悟がいる。 2021/02/22
しましまこ
33
王族のみを死滅させてく奇病により最後の王となった今世王が、幼い頃行方不明になり亡くなったとされていた異母兄を見つけ溺愛する物語。と言っちゃうと身も蓋もないが、血族しか愛せぬ異能の王族、王族のためだけに生きる一族もいてスゴイ世界だ。最初は今世王の愛が深すぎて引きながら読むも、ご無体の度に花は咲き誇り、枯れ泉は湧き出し・・・スゴイよ。灰色狼さん達の王族ラブも楽しく、世界観はOK。さあ次巻へGO!2017/05/13
えみみ@ヒプマイ沼
31
「寝巻きと寝具は新婚並に」...個人的お気に入りの灰色狼たちのセリフ(笑)物語の本筋も世界観にドップリ浸れていいんだけど、周りで奔走する侍従たちの献身ぶりが事細やかに書かれているので面白くて!こんなBLあっただろうか!w馬車の中で睦みあい始めた王族の靴が窓から外に飛んでいって、周りのものたちがバタバタするとか、、(ノ∀`笑)真面目な書き味ですが、随所でクスクス笑っちゃうようなやりとりがあって楽しめました♪足弱がお供の者達と街に繰り出すエピソードも好きでした。書士ワンさんとの絡みももっと見てみたいですね。2017/05/05
ぐっち
27
漫画かと思ってたら2段組!親族しか愛せないのに一人だけ生き残った今世王と、長い間行方不明になってた兄・足弱。静かな感じで世界を描き出す地の文が素敵だけど、エロいシーンが常に暴力的なのがちょっとなあ。だんだん仲良くなってきて下巻どうなるのか。2017/05/27