ディスカヴァー携書<br> 命は誰のものか (増補改訂版)

電子版価格
¥1,320
  • 電子版あり

ディスカヴァー携書
命は誰のものか (増補改訂版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • この商品は店舗受取ができない商品です。
  • サイズ B40判/高さ 18cm
  • 商品コード 9784799327296
  • NDC分類 490.15
  • Cコード C0236

内容説明

現在、人間の生命をめぐって、どのような問題が生まれ、どのような議論があり、なにが問われているのか。問題は、さまざまな価値の大本にあるわたしたちの命にかかわっている。そこには、現在の社会が直面している課題が典型的に示されている。

目次

あなたは、薬や医療設備が足りないとき、治療する人を選んでもいいと思いますか?あなたなら、誰を選びますか?―生命倫理、最初の問題
あなたは、パンデミックの状況では患者に優先順位をつけてもやむを得ないと思いますか?―COVID‐19トリアージの問題
あなたは、生まれてきた子に重い障がいがあったとしたら、治療に同意しますか?そのまま死なせますか?―障がい新生児の治療停止
あなたは、生まれてくる子どもに障がいがあるとわかったとき、その子を産みますか?―「不幸な子どもを生まない運動」と「間違った命」訴訟
あなたは、悪質な遺伝子があるとしたら、それを断つべきだと思いますか?―NIPT・強制不妊救済法・相模原事件・優生思想
あなたは、代理出産を依頼しようと思いますか?―生殖技術の展開と自然主義VS契約主義
あなたは、自分の子ども同士の臓器移植を決めることができますか?―自己決定と子どもの権利
あなたは、治る見込みはないのに、生かし続けられることを望みますか?―カリフォルニア自然死法とクインラン事件
あなたは、家族が治る見込みがないとき、人工呼吸器を取り外すことに同意しますか?―射水市民病院事件と尊厳死運動
あなたは、「人生の最終段階」について何を語りますか?―日本版ACP「人生会議」
あなたは、「脳死」は人の死だと思いますか?―「遅れた日本」と臓器移植法成立の意味
あなたは、臓器を提供しますか?―臓器不足をめぐる問題
あなたの命は誰のものですか?―医療技術の進歩と人間の生命
あなたは将来、どのような世界を望みますか?―科学技術が見せる世界とわたしたち

著者等紹介

香川知晶[カガワチアキ]
1951年、北海道生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。現在、山梨大学名誉教授、日本学術会議連携会員(第23期~)、日本生命倫理学会代表理事(第11期)。専門はフランス哲学、生命倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

15
この身体も意識も自分だけのものだ。それなのに何故自由意志に基づく自殺は許されないのか。他にも医療現場におけるトリアージや出生前診断による障害児の選別などを取り上げ、生命倫理について考えていく。医療の目覚ましい発展により肉体の限界を超えて生かしてしまうことが可能になったけれど、そうした不自然なケアは本当に良い行いなのか。誰でも所有している生命なのに日常的にそれについて深く考えることはない。自らの生を肯定するためにも、生命倫理的な観点から生きるというイベントを考えてみるのは大切なことだよな。2023/09/04

ヒナコ

14
本書は、医療資源分配・出生前診断・代理母による出産・安楽死・脳死・臓器移植・ヒトゲノム編集と、生命倫理に関することが網羅的に解説されている。これは、2009年に同タイトルとして出版されたものを、加筆・修正したもので、コロナ禍での人工呼吸器の配分など最新のアクチュアルな議論も新たに加筆されており、読みごたえはあった。内容的には、初学者向けのものが多く、すらすら読める構成になっている。→2022/03/26

うさうさ

13
だいぶ前に購入してたのにようやく読み終えた。 優生学、臓器移植、安楽死、出生前診断などもとから興味もあり個別に書籍を読んでたものが、「生命倫理」というものだと知った。 正解はない、どう考えるか。 科学の進歩もな… 「私たちはどのような世界を望むのか」2023/12/02

めん

11
最近数年、医療資源の有限性を考えることが多い。/最初に1960年開発の透析器が、患者数に比べ台数が不足、「彼らは、誰が生き、誰が死ぬのかを決定する」との「シアトル事件」を取り上げ、「生命倫理、あてどない旅」を思い知らす。このあてどない旅は、14章全てで続く。其々の章のテーマは、パンデミックの状況でのトリアージ、重度障害新生児の治療、尊厳死…。各課題に相応の組織が提言等を示している。不意打ちに起こる決断が必要な場面で「不断の変化と動揺のうちにある」としても、後悔のない選択ができるように、学び考え続けたい。図2022/02/21

武井 康則

10
医学の進歩が誕生と死に及んだ今、人倫に悖ると思われる行為もそれぞれの事情から求める人が現れる。まさしくトロッコ問題そのもの。そんな現在の医療を豊富な実例を挙げながら説明している。結局は経済力がモノを言う。人体が医療資源であり、人のモノ化も進むだろう。これにAI、ビッグデータ、環境が加われば、(もう臓器移植と遺伝子、ゲノムは含まれている)誰も全体を把握できなくなるだろう。2023/12/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17749157
  • ご注意事項

最近チェックした商品