内容説明
人工知能は脅威か?救世主か?「人類とは何か」が分からないまま、AIを理解することはできない。
目次
第1部 今日に至る、長く険しい道―プロメテウスの物語(第一の時代:言語と火;第二の時代:農業と都市 ほか)
第2部 狭いAIとロボット―ジョン・ヘンリーの物語(狭いAI;ロボット ほか)
第3部 汎用人工知能(AGI)―魔法使いの弟子の物語(ヒトの脳;AGI ほか)
第4部 コンピュータの意識―ジョン・フラムの物語(センシェンス;自由意志 ほか)
第5部 ここからの道―ジャン=リュック・ピカードの物語(進歩の発明;第四の時代の暮らし ほか)
著者等紹介
リース,バイロン[リース,バイロン] [Reese,Byron]
技術調査会社ギガオムCEO。その他、複数のハイテク企業の創設者。人生の大半を、技術と人類史の関係について思索することに費やしてきた。クラウドソーシング、コンテンツ制作、サイコグラフィックスなど多岐にわたる分野で特許取得済・出願中。彼がローンチしたウェブサイトは技術、ビジネス、科学、歴史など多岐にわたる分野を網羅し、これまでに計10億人以上にアクセスされている
古谷美央[フルタニミオ]
東京大学教養学部英語コース(PEAK)特任助教。東京大学理学部生物科学科(動物学)卒業、同大学院医学系研究科修了。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
205
原題は『第4の時代』。哲学・歴史を振り返りながら様々な立場で未来を予想して見せるが、AIの個別のテクノロジーにはほとんど立ち入らない。absintheは、ピンカー、リドレーの技術至上楽観論を信じている。AIが人間様の仕事を奪うなど心配したこともない。中立な立場を装いながら、著者のリースはピンカー以上の楽観論者に見える。テクノロジーの進歩はものすごい勢いで貧困を撲滅しつつある。未来が明るくないはずがない。2020/02/20
Kentaro
36
私たちはAGIを作ったことがない。AGIに似たものすら作ったことがない。どうやれば作れるのかを示せた人もいない。脳のしくみも心のしくみも意識のしくみも分かっていない。医学の進歩によって乳児の死亡率は減少し、多くの疾患は治療可能になり、人々が活動的に過ごせる期間は長くなったが、寿命の最大値は増えていない。現在、世界には100歳以上の人が40万人いる。そのうち110歳の誕生日を迎えられるのは400人。115歳まで生きられたのはこれまでに40人だけ、そして120歳の誕生日を迎えたことが確認されたのは1人だけだ。2020/03/21
宇宙
21
AIの個別の技術には立ち入らない。様々な立場に立って未来を予測した本。中立というよりは、本音はAI楽観主義者のようだ。AIは人類の未来を明るくする。同感。2020/02/17
kubottar
19
人類はAIという次の地球の覇権を握る存在を作り出そうとしてる。そんな懸念を感じる。しかし実際にはAIが主流になったとしても人間ができる新しい職は生まれてくる。この本は悲観論に全振りした内容ではないので安心した。しかし、AIによる戦争の時代になったら、人間を使う戦争よりもコストが下がるため戦争が増えるという予想はゾッとした。未来は確実にAIの時代にならざるをえない流れになっている。どういう未来にするかは今から十分考えておく問題だ。2021/10/18
GASHOW
11
人類の歴史のなかで、人が平等になったのはつい最近のことだ。厳密には人種差別はなくなっていないが、少し前は同じ人ではないと考えられていた。AIが登場して、ロボットは人間ではないし、意識もないと思うのだが、ロボットに虐待する人も出てきたりする。トランスヒューマンは人だが、人間のデータをアップロードされた場合には、人間の意識をもっている機械とどう向き合うのだろう。AIが意識をもつことがあれば、起源の違う知的生命体だし、彼らからみた人は神なんだろう。2020/06/01