内容説明
勤勉・正直・時間に正確―近代化と高度成長を支えた日本人の美徳は石田梅岩によってつくられた!稲盛和夫はじめ多くの経営者が傾倒する「江戸時代のドラッカー」に今こそ学べ!
目次
第1章 日本人を勤勉にした男
第2章 道徳なしに市場なし―石田梅岩とアダム・スミス
第3章 商業は正直から始まる
第4章 倹約は自分のためだけではない
第5章 仕事(ワーク)と人生(ライフ)を結びつける
第6章 現代に生きる心学の精神
第7章 江戸時代のドラッカー
著者等紹介
森田健司[モリタケンジ]
1974年兵庫県神戸市生まれ。京都大学経済学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(人間・環境学)。現在、大阪学院大学経済学部教授。専門は社会思想史。特に、江戸時代の庶民文化・思想の研究に注力している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紙狸
15
2015年刊の単行本を19年に「携書化」。石田梅岩・石門心学について入門的な知識を得ることができた。梅岩が活動したのは18世紀前半の関西。農家の出で商家の番頭までつとめて思想家デビュー。著者は、心学に現代的な意義があることを、アダム・スミスやドラッカーを引き合いに出して説く。人間の本性を考察し、あくなき私欲の追求は本性ではない、本性には共同性(1人では生きられない)が組み込まれているーという思想らしい。商人が本性にしたがって勤勉に働き、その結果利益を得ることを肯定した。2022/11/18
天使の奇跡
2
初めての石田梅岩、今まで全然知らなかったけど、心学は面白いし興味深く読めた。良い人生を送るためには、日常の行為の意味を理解する、その理解しようとする行動が役に立つのです。ルール至上主義は考えることを止めさせている。ルールではなく自分の道徳に従うべきではないか!学問とは知識量を増やすことでなく、人生や社会に対する正当な見方を獲得することである。すべての問題には表面に出てこない「根」がある、それを認識するが解決方法につながる、解決の難しい問題は、即効性のある解りやすい解決法違法はないのです2023/02/23
n-shun1
1
ルール至上主義の資本主義経済は持続的でないこと。そこに参加する者の道徳や市民性が重要。それを説いていた梅岩,スミス,ドラッカー。人の本性は何か。それと社会制度との関係。個人と共同体。共同体なしには個人が存在できない。 形について。形(位置,状況)によってなすべき仕事がある。その仕事を愚直になす。⇒本性(人や物の力)を正しく発揮する。発揮させる。発揮するための学問。 「倹約を勧めてくるのは親しい人,消費を勧めてくるのは親しくない人」というのは面白い。2021/03/14
たけ
0
audiobook2025/03/10