ディスカヴァー文庫<br> 滔々と紅

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ディスカヴァー文庫
滔々と紅

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  • サイズ A6判/ページ数 475p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784799320440
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

天保八年、飢饉の村から九歳の少女、駒乃が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧へと成長する。忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。―全国の書店員が選んだ「世に出したい」新作!第1回本のサナギ賞優秀賞受賞作。

著者等紹介

志坂圭[シザカケイ]
コンピューター関連企業に就職。その後、自動車部品製造企業に転職。退職後、執筆を続ける。2014年『滔々と紅』で第1回本のサナギ賞大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

435
【遊廓部・課題】まるで永井義男先生のご本が、文学として立ち昇ったような。初心者向けに、遊廓部内部事情やその成り立ちについても、詳細が織り込まれている。肝心の主人公・駒乃だが、並外れた容姿ややる気や手練手管の持ち主、というわけでないところが少々拍子抜け。手練手管といえば、現代にはあまり通用しなさそうなのも残念(笑)。それでもやはり、ここぞで見せる花魁の意地と芯の強さが物語に厚みを持たせる。これが明治からそう遠くもない時代設定だったことに驚かされた。遊廓ものとしても女の生き様作品としても、秀作。2020/10/25

タイ子

88
1人の少女が吉原に買われてそこで成長していく女の一代記。飢餓にあえぐ村から女衒の手によって吉原に売られていく9歳の少女・駒乃。吉原の遊郭・扇屋で働き始め気の強い性格が災いして、吉原のしきたりからはずれることしばしば。禿として付いた花魁から受ける吉原で生きる術と手練手管。苦界に生きる女たちの姿、だが見えない光の先に彼女は何かを見出していく。花魁となった彼女が取った最後の行動。。。吉原の世界を詳細に描いてるだけに映像が浮かぶようで面白い。後半の展開はスリルがあってドキハラ。幸せは自分の手で掴まなければ。2023/03/05

ゆみねこ

76
志坂圭さん、初読み。天保八年飢饉の村から遊郭に売られた駒乃。吉原の扇屋で禿しのほ、新造明春、花魁艶粧(たおやぎ)と出世してゆく。遊女の過酷な運命に負けず、力強く生き抜いた生涯。新人作家さんの手によるものとは思えない完成度。読みごたえがありました。花魁の名前が読みにくくて、そこは少しマイナス。翡翠(かおとり)も中々頭に入らなかった。2017/08/06

はにこ

55
今までそれなりに時代小説を読んできて、飢饉の話、遊郭の話に何度も出会い分かっている気でいた。特に新しく学んだわけではないが、飢饉の厳しさや遊郭が苦界であることを改めて突き付けられた。そんな中を生き抜く駒野。波乱万丈の人生の中で彼女は幸せだった瞬間はあったのだろうか。せめて家族に恵まれ、母と弟のその後を知り、デウスの加護を受けたことであろうか。今がこの頃から200年と経っていないことが驚き。2023/10/25

真理そら

51
吉原物ではあるけれど、冒頭の飢饉描写にインパクトがある。この飢饉の記憶が駒乃のその後の意識にも、読者の意識の中にも残っているために、遊廓の悲惨さが緩和されている。当時の薬売りの活動範囲の広さが印象的だった。2018/09/27

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