内容説明
誰もがみな本能的に失敗を遠ざける。だからこそ、失敗から積極的に学ぶごくわずかな人と組織だけが「究極のパフォーマンス」を発揮できるのだ。オックスフォード大を首席で卒業した異才のジャーナリストが、医療業界、航空業界、グローバル企業、プロスポーツチームなど、あらゆる業界を横断し、失敗の構造を解き明かす!
目次
第1章 失敗のマネジメント
第2章 人はウソを隠すのではなく信じ込む
第3章 「単純化の罠」から脱出せよ
第4章 難問はまず切り刻め
第5章 「犯人探し」バイアスとの闘い
第6章 究極の成果をもたらすマインドセット
終章 失敗と人類の進化
著者等紹介
サイド,マシュー[サイド,マシュー] [Syed,Matthew]
1970年生まれ。英『タイムズ』紙の第一級コラムニスト、ライター。オックスフォード大学哲学政治経済学部(PPE)を首席で卒業後、卓球選手として活躍し10年近くイングランド1位の座を守った。英国放送協会(BBC)『ニュースナイト』のほか、CNNインターナショナルやBBCワールドサービスでリポーターやコメンテーターなども務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
247
「我々は自分の失敗には言い訳をするくせに、人が間違いを犯すと直ぐに攻め立てる」という周知されている事実から、「なぜ成功者はほんの一握りなのか?」について次のように思索してみました。『自分の失敗を認めることが出来るヒトは一握り。そして、失敗を認めて改善出来るヒトはそのさらに一握り。つまり、成功者はほんの一握り』と説明できるんじゃね?、とwww。2024/01/17
けんとまん1007
247
とても多くの気づきのある1冊。失敗の定義は、いろいろあるし、いろいろな方の考え方も眼にすることがある。個人的には、羽生善治さんの定義が納得度が高い。そんな失敗から、何を学びどう活かすのか?さらに、この本の優れているのは、何故失敗が起きるのか?その判断に至るプロセスは正しいのか?何故、人は失敗を認めようとしないのか・・・などに触れられていることだ。それは、文化・歴史という影響もあるが、いい意味で、少しずつ変わっていかないとと思う。デザイン思考にも通じるものを感じた。2020/12/06
breguet4194q
156
失敗という誰もが避けたい事柄について、冷静に科学した一冊。言われてみれば、確かにそういう思考回路になっていると思う箇所が散見された。人命に関わる程の大事件が、身近で起こった事がないから真剣になれない自分でもある。失敗をどう捉えて、次に活かしていくか。自分の行動を見つめ直す事ができました。本当に読んで良かった。2020/05/17
kei-zu
149
本書読んでいる間、Amazonが実店舗を閉鎖するというニュースを見た。独自スマホの参入と素早い撤退など、同社のトライ・アンド・エラーには感心する。 本書で紹介されたエピソードのうちで面白かったのが、一流の技術者が対処できなかった部品の改善を、ダメもとで生物学者に行わせたら問題が解決したというもの。ポイントは、ちょっとずつの工夫の蓄積。できあがった部品は、当初の想定とは随分と異なった外見をしていたという。 本書に通底する「失敗の蓄積に勝る改善手段なし」という指摘には、大いに励まされる。2022/03/04
徒花
132
まぁまぁ良かった。航空機事故や医療ミスなど、さまざまな失敗の実例とその分析をしつつ、なぜ失敗は起こるのか、そのメカニズムを分析していく一冊。本書ではむしろ小さな失敗を奨励していて、その失敗を分析し、共有していくことの大切さが主張される。また、人はとにかく失敗を認めたがらない生き物であること、認知的不協和を歪な形で解消するために自分の都合のいいように考えがちであることに警鐘を鳴らしている。なかなかためになる。2022/01/07