何が戦争を止めるのか

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何が戦争を止めるのか

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784799319666
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0031

内容説明

「戦争は悪」だけでは戦争は止められない。「国家は互いに協調すべき」と考えるリベラリズム×「国際社会はパワーゲームだ」と考えるリアリズム。戦争のリアルを知る海上自衛隊部隊指揮官経験者が対立する2つの立場をもとに緊急提言!

目次

第1章 世界中で「理想の崩壊」が起こっている(EUが苦しむ理想と現実の「ギャップ」;トランプ氏の躍進から見えてくる米国の「ひずみ」;直視を避け続ける日本の「リアル」;国家は理想と現実の間で嘘をつく)
第2章 リベラリズムとその限界(リベラリズムとは何か?;リベラリズムは必然的に「悪者」をつくり出す)
第3章 リアリズムとその限界(必然だった「米中対峙」;「構造的緊張」と「戦争」の間)
第4章 柔らかいリアリズムへ(伝統的リアリズムの限界;リアリズムを本当に使えるものにするために)
第5章 理想論抜きで戦争を止める方法(戦争はオプションのひとつにすぎない;「欲望の体系」で戦争を止める)

著者等紹介

小原凡司[オハラボンジ]
1985年防衛大学校卒業後、海上自衛隊回転翼操縦士として勤務、第101飛行隊長、第21航空隊司令等歴任。1998年筑波大学大学院修士課程(修士論文「中国の独立自主外交」)修了、2002年防衛研究所一般課程修了。2003年3月~2006年4月駐中国防衛駐在官、2006年防衛省海上幕僚監部情報班長等を経て退職。2013年1月から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新父帰る

8
何が戦争を止めるのかを分析する方法として、リベラリズムからのアプローチとリアリズムからのそれを比較。リベラリズムは理想を掲げ、戦争を善悪で色分けしてしまう為に袋小路に入り込む。一方、リアリズムは国際社会の無政府状態、国益、パワーの三つの要因で伝統的な説明してきたが、これらだけでは戦争を止める理論の構築が出来なかった。そこでネオリアリズム、つまり国際システムの変化を導入。しかし、著者はこれでも不十分ということで「欲望の体系」理論を導入。経済発展という人間の根源的な欲望を因子に加えて戦争を止める試論を提唱。2016/09/27

やまと

3
人類の歴史は戦争の繰り返しで、国やテロ組織の戦いは止むことが無い。世界は戦争に向かいつつあるという筆者の見方に同感する。また、リアリズム(国家はパワーと安全を求める)は過去を分析するツールで、リベラリズム(国家は互いに協調すべき)は未来はこうあるべきという方法論という見方もわかりやすい。分析と理想論では戦争を回避できず、経済的欲望に答え不満を緩和させて「戦争しない方が得」と思わせることが戦争を止めさせる方法と主張している。日本人は戦争という言葉を嫌い、戦争について深く考えてきておらず、直視する必要がある。2016/10/08

日条左半次

1
「何が戦争を止めるのか」よりも先に「何が戦争を引き起こすのか」というところから考察。「リベラリズム」と「リアリズム」の双方について、その性質について言及しているが、そのまんま現状の左右両翼に象徴されている部分が大きい。ただ今の日本では互いが全く相容れない状況が続いているが、そうではなく本書の立ち位置のように、左右双方に目配りできる視点をすべての国民が持つことが必要だと思う。そして戦争抑止のための有力なファクターとして「経済発展」を挙げた筆者の主張には、大いに頷かされる。2018/02/08

Natsume

1
非常に平易な書き方で、特定のイデオロギーへの偏りなく、リベラリズムとリアリズムという国際関係分析の基本的なアプローチの概要を確認でき、この本が書かれた昨年よりさらにきな臭い現状を認識する視点を固められる。どうか戦争になりませんように、と祈るんじゃなくて、自分たちが意識してそうならないように行動しないといけないんだよな。2017/07/07

ペカソ・チャルマンチャイ

1
戦争反対で思考停止しては何も解決しない。この本のような、戦争に至る過程を学ぶことが、戦争を起こさないことにつながるのだろう。国際的な現象になっている格差の拡大が、戦争が起こる不安要素であるという指摘が著者独自の考えか。2016/10/17

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