内容説明
“お任せ”から“自分たちで決める”自治へ。元我孫子市長/前消費者庁長官が、「国からではなく生活者から出発する」自治の原点を提言!
目次
序章 市民から出発する
1章 市民が行政をコントロールする(分権とは何か;主権者市民はいかにして行政をコントロールするか;市民の自治力)
2章 二元代表制における首長と議会(首長に求められるもの;議会に求められるもの;首長と議会は緊張関係にある;市民の自治体に「自治基本条例」は不可欠)
3章 市民の公共をつくる(公共を新しくする;民間と行政の連携)
終章 一人ひとりの想いから
著者等紹介
福嶋浩彦[フクシマヒロヒコ]
中央学院大学社会システム研究所教授。東京財団上席研究員。1956年鳥取県米子市生まれ。1983年、千葉県我孫子市で市議会議員に。市議3期目途中の1995年、38歳で我孫子市長に。2007年まで3期12年務め、全国青年市長会会長にも就任した。市長退任後は2010年、消費者庁長官に任命され、2012年まで務める。我孫子市長在任中は「市民自治」を提唱し、補助金の市民審査、提案型公共サービス民営化、市民債による古利根沼の保全、常設型の住民投票条例などを実現したことで知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
17
ゴシ太本。市民自治とは、地域づくりの理念や方向性を市民自らが決め、市民自らの手で地域をつくっていくこと(表紙見返し及び12頁)。役場、市役所に丸投げではイカン。市民の想いから出発して、合意をつくり出す(19頁)。まちづくりの原点は、こうしたい、ありたい、という想いだと思う。市民への補助金の全体像を明らかにして、地域社会に最も有効な税金の使い方をみんなで考えていく(60頁)。大事だな。 2014/10/24
大先生
12
元我孫子市長としての実績や経験を交えながら、著者の政治哲学・基本理念(=市民自治)を説明した本です。【「市民自治」とは、地域づくりの理念や方向性を市民自らが決め、市民自らの手で地域をつくっていくということ。その実現のためには、市長や議会の努力が必要なことは当然で、市民の側も、ただ行政サービスを受けるだけの消費者や、ただ税金を払うだけの納税者としてではなく、主権者市民として市政に参加・監視していく必要がある】と。2023/01/01
takeapple
7
市民自治ということがやっぱり大切で、そのために中学校社会科が担う役割は大きいと自覚。2014/12/22
ヨムヒト
6
千葉県我孫子市の元市長福嶋氏の本書は、二元代表制の原理原則に則った政治、行政とは何かを12年間の首長業務を踏まえて整理したもの。極めて有益な良書である。タイトルは市民自治。地方政治とは、首長、議会、市民の三者がそれぞれを牽制し緊張感をもつ必要がある。市民は議会に委譲する間接民主主義に加え、直接参加の直接民主主義も含まれているが、市民を巻き込むということが少ない。福嶋市長は既得権益の解消として、既存の補助金事業の撤廃を行なった。市民による委員会を経て仕分けを行なった。行政や議会とだけの議論では結論が出ない。2024/04/11
Yasushi I
5
我孫子市長であった著者が、自ら実践してきた市民と直接繋がる行政を提言したもの。本来市民の代弁者、代表である議会と市民の関係が希薄なことは正しくその通りと思う。できるだけ市民に直接決めてもらう。民意の反映は重要だか、市民が受け入れ辛いことも徹底的に議論、説明する。行政とのコミュニケーションがどうあるべきか考えさせられた。2018/07/11