内容説明
西暦536年、過去3000年間で最大の火山の大噴火が起こった。まきあがる噴煙は空をおおい、太陽はさえぎられ、やがて地球規模の大寒冷期がやってきた。はるか昔の自然災害であるにもかかわらず、研究者たちは、どのようにして大噴火の証拠を求めたのか?巨木の年輪を測定し、極地の氷床を分析し、25万頁にものぼる古文献を調査して解明したこととは…。天候激変による飢饉と旱魃を引き起こし、東ローマ帝国を衰退させ、ゲルマン民族の大移動、イスラム教の誕生、さらには日本の「天の岩屋伝説」にまで原因した人類史の事件に、科学の眼が迫る。
目次
第1章 西暦536年の火山噴火(NASAの古典文献研究―宇宙研究機関が25万ページの歴史書を調べる;査読―独創的な研究ほどはねられるのはなぜか? ほか)
第2章 気候変動の人類への影響(気候変動と民族大移動―ゲルマン民族と中央ヨーロッパの大混乱;気候変化による国家の滅亡―寒冷化変動でも日本は勝ち組か? ほか)
第3章 天の岩屋の神話(536年の日本の内乱?―真珠が千箱あってもどうして凍えるのを救えようか;『古事記』と『日本書紀』―180年も前の飢饉の記録 ほか)
第4章 恐竜絶滅と核の冬理論(彗星衝突説再び―オーストラリア近海で2個の彗星が1500年前に衝突;世界史の本当の主役―歴史を粗視化して見る ほか)
著者等紹介
河合潤[カワイジュン]
京都大学大学院工学研究科教授。1957年岐阜県出身。82年、東京大学工学部工業化学科を卒業。86年、同大学大学院工学系研究科博士課程を中退し、東京大学生産技術研究所教務技官。89年、工学博士。同年、同研究所助手を経て、理化学研究所基礎科学特別研究員(第1期生)となる。93年、京都大学工学部助手。94年、同大学工学部助教授に就任。2001年より現職(材料工学専攻物質情報工学分野)。X線を用いた環境分析法の開発などにたずさわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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