出版社内容情報
「共和国の価値」に連動して揺れ動く市民性教育のダイナミズム
フランス革命に端を発するフランス共和制の歴史は、カトリックとのヘゲモニー闘争を経て主導権を獲得した後も、「共和国の価値」をめぐって様々な論戦が繰り広げられてきた。共和国市民の育成という点で常に論争の主戦場となってきた公教育に着目する本書は、「68年5月」の動乱によって広がった反権威・反主知主義的風潮を脱し、1980年代に改めて共和制理念や公民教育が再興されていくプロセスを丹念にたどる。それが、自由・平等・友愛、ライシテといった従来の「共和国の価値」に、人権や民主主義という新たな価値を付与し、フランス独自の普遍主義の礎となっていた―。法や政治制度の歴史的変化に伴う共和制理念・公民教育の揺れ動きを俯瞰で捉えた挑戦的研究!
【目次】
まえがき
序 論
第Ⅰ部 共和国市民の育成をめぐる歴史的展開
第1章 アンシャン・レジーム期から革命期(1789~1799年)にかけての市民形成
第2章 ナポレオン時代から第三共和制成立まで(1799~1870年)
第3章 第三共和制前半における市民形成(1871~1905年)
第4章 二つの世界大戦と市民の育成(1905~1944年)
第Ⅱ部 1980年代半ばにおける公民教育の再興
第5章 戦後から1980年代までの共和国市民育成の後退
第6章 公民教育政策の政治的社会的背景
第7章 公民教育の再興論議
第8章 公民教育の再興をめぐる政策論理
第Ⅲ部 シティズンシップ教育のフランスモデルとその課題
第9章 レジス・ドゥブレの二つの国家の類型論
第10章 レジス・ドゥブレの二つの国家の類型論に対する議論
補論1 シティズンシップ教育課題へのフランス的対応
補論2 1985 年版学習指導要領の内容と特徴
結 論
引用・参考文献一覧/あとがき
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