内容説明
ハーバード大学が開発した議論学習法の全貌!歴史問題や科学政策といった政治的・社会的な論争問題について建設的な議論を行うことは、流動する時代情勢に柔軟に対応するためにも必要な能力であり技術であると言える。本書は、ハーバード大のドナルド・オリバー教授らが開発したカリキュラム教材『公的論争問題シリーズ』で描かれた法理学アプローチの理論的枠組を分かりやすく解説し、それを基に日本の中学・高校で実際に行われた授業実践の調査分析を通し、その効果の検証を具体的に示す。時間のかかるコンフリクトな熟議を通した学習の先にある、より深い民主主義の実践を意識した労作!
目次
理論編(ハーバード大学『公的論争問題シリーズ』と法理学アプローチ;主権者育成における判例議論の重要性―違憲審査能力の保証;法理学アプローチの今日的評価と課題について;社会科におけるトゥールミンモデル活用の実態とその功罪―法理学アプローチの授業開発に向けて私たちは何を学ぶべきなのか)
調査編(法理学アプローチの教材開発と実践の実態―教師のゲートキーピングに注目して;一部生徒による「論破」と「議論支配」の発生―議論学習をすすめていく上での最大の難題;一部生徒による「論破」「議論支配」問題克服のために教師は何ができるのか―ある中学校教師のリヴォイシング行為を中心に;議論において潤滑的な対話空間を生み出す生徒の修辞的発言/行為;教室に熟議をもたらすために出来ること―教師の意見表明・生徒評価・カリキュラム編成の改善;弁護士が法理学アプローチにもたらす貢献―アナロジーづくり・教材開発・授業実践)
著者等紹介
渡部竜也[ワタナベタツヤ]
東京学芸大学教育学部准教授。広島大学大学院教育学研究科文化教育開発専攻博士課程後期課程修了。博士(教育学)。専門は社会科教育学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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