内容説明
日々の授業や部活動、サークル活動などで様々な出自の学生と、またアルバイトやボランティア活動などでは学外の人々と、そしてSNSなどを通して顔の見えない人々とも関わり合いを持つ現代社会の若者たち。多様な関係性の中に置かれることで「生きづらさ」を抱えている若者も少なくない一方、社会ではこうした様々な他者との葛藤や対立―コンフリクト―を調整し、協働する能力が広く求められている。大学での具体的な授業実践や体験的活動を通して「コミュニケーション実践力」を培う方途を提言した、時宜にかなった関係者必読の書!
目次
第1部 社会的葛藤と高校教育・大学教育(高校教育におけるコミュニケーション実践力の育成―高大接続の在り方;対立や葛藤の調整が埋め込まれている大学授業の創造;キャリアの多様性と社会正義を志向するライフキャリア教育の実践)
第2部 コンフリクトを介した学びと成長(行動変容と対話―コンフリクト・マネジメント能力の向上のための学習活動;紛争を転換する能力の育成―バイナリーを越えて平和アプローチへ;身体視点からのコンフリクト・マネジメントの基礎づくり)
第3部 学生にみられるコミュニケーションの課題と支援方策(学生の「コミュニケーション強迫」と「学校人格」の様相と「潜在的ニーズ」―「匿名性」を活用した遠隔授業の試みからみえたこと;多様な学生たちがそれぞれの人生を生き抜く力を育てる大社接続;演劇的手法を活用したコミュニケーション教育からのアプローチ)
終章 まとめ―コミュニケーション実践力の育成に向けて
著者等紹介
山地弘起[ヤマジヒロキ]
独立行政法人大学入試センター試験・研究統括官。経歴:東京大学教育学部助手、メディア教育開発センター研究開発部助教授、長崎大学大学教育イノベーションセンター教授等を経て現職。Ph.D.(Somatic Psychology)。専門:教育心理学、身体心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。