内容説明
この世に生まれ、いまここに生きていることの歓びや自由感と幸福感が感受される世界とは。自己責任と過剰な能力主義の世界に置かれる現代の子ども・若者たち。彼/彼女らに対する外発的な「自立」政策はかえって「孤立」を生み出し、関係性と体験の貧困を加速させる。本書は、生産性や機能性を過度に重視した合理主義的世界が見失ってきた生命世界とのつながりを取り戻し、子ども・若者たちが人や自然と共に過ごす時間の歓びや楽しさを享受できる社会・コミュニティのあり方を提言する。
目次
第1部 子ども・若者の成育環境の現代的特徴(居場所なき時代の自立と生きづらさ;脱身体化する社会と生の全体性の回復)
第2部 都市におけるWell‐beingな成育環境をデザインする(信頼と寛容のコミュニティ創出に向けた仕組;都市におけるWell‐beingな子ども環境をデザインする;都市における若者・大学・NPOの地域協働活動)
第3部 生命性・存在性の世界と地域青少年育成活動(地域青少年育成活動の現代的意義と自立の問い直し;補論 生命性の世界から見た遊び・余暇の意味;地域青少年育成活動と地域学校協働活動の可能性)
第4部 社会教育・公民館が育むWell‐beingな成育環境(若者の居場所としての公民館の可能性;子どもの成育空間としての公民館)
結論にかえて―人間の生の回復と充溢に向けて(近代的主体と自立の脱構築―生命・身体・コミュニティ)
著者等紹介
萩原健次郎[ハギワラケンジロウ]
1968年埼玉県生まれ。立教大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。現在駒澤大学総合教育研究部教授、専門は教育人間学、社会教育学。広く子ども・若者の居場所と人間形成の視座から近代教育の課題を問う。子ども・若者の居場所をめぐる臨床研究や地域青年活動の研究を重ね、各自治体の青少年・若者関連施策の提言、ユースセンター・児童センターなど青少年施設職員の力量形成支援や運営にたずさわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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