内容説明
大学のあるべき姿を目指して―。「選択と集中」に基づいた資金配分など、即時的な科学技術イノベーションを重点化した国家主導の大学政策によって、地に足ついた基礎研究やリベラルアーツ教育がないがしろにされている。これは、教員の自由で創造的な研究機会、そして学生の柔軟で多様な学習機会を阻害し、結果的にわが国の「知」を凋落に導いてすらいる―。本書は、日本の大学の現在地と未来への見取り図を眺望し、特に学士課程におけるリベラルアーツ教育の重要性を改めて唱え、わが国の大学政策の在り方に再考を迫った緊急提言の書!
目次
1章 日本の学術政策の動向
2章 大学教育政策の動向
3章 科学と技術
4章 総合知と全体知
5章 科学とキリスト教
6章 キリスト教大学の可能性
7章 問われる大学
付録 断想「大学教育研究センター」
著者等紹介
絹川正吉[キヌカワマサキチ]
1929年生まれ。1955年東京都立大学大学院理学研究科修士課程(数学)修了。1960年Northwestern UniversityよりPh.D.取得。国際基督教大学教授、同教養学部学長、同学長、同名誉教授、文部科学省「特色ある大学教育支援プログラム」実施委員会委員長、日本私立大学連盟常務理事、大学基準協会理事、大学セミナーハウス館長、大学教育学会会長、日本高等教育学会理事、IDE大学協会理事、新潟大学理事等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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