内容説明
福島第一原発事故は、放射能という「見えない脅威」が常に隣り合わせにあるものと私たちに認識させた。しかし、事故から10年以上を経た今日に、その反省は十分に活かされているだろうか?事故は「過去のもの」として忘却に向かってはいないだろうか?本書は、共に深刻な原発事故を経験した日本・ウクライナ両国の気鋭の研究者によって、放射線被曝についての自然科学的実証研究、避難を強いられた被災者たちの直の声、精神を蝕み続ける「原発不安」などを通し、事故後に長い時を経てもなお人間・社会・自然のあらゆる領域に影響を及ぼし続ける「原発災害」の実態を描いた原子力災害研究の最前線!
目次
第1部 原子力災害による放射能汚染と被曝(電離放射線と健康;福島原発事故による放射能汚染と放射線被曝;チェルノブイリ原発事故と生物相;福島における昆虫の形態異常と年次変化;放射生態学的・医学的影響の比較;福島第一原発事故被災動物の包括的線量評価事業の立ち上げと今後)
第2部 原子力災害と社会(畜産農家にとっての避難;生活再建ライフイベントとしての仮住まい;避難者の声;ウクライナ・ポレーシエ地方のチェルノブイリ原発事故被災者と移住者の語りによる伝統文化の研究)
第3部 原子力災害研究の新たな射程(持続的な外傷性ストレス、フラッシュフォワード;災害と事故;棄民の系譜からの自由;震源域・核発電・再稼働)
著者等紹介
家田裕子[イエダユウコ]
東欧研究者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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