内容説明
度重なる逆境を乗り越え韓国にキリスト教主義高等教育が根付いたのはなぜか―そのダイナミズムを探る!韓国では、四年制大学の80%を私立大学、また四年制私立大学の40%をキリスト教主義高等教育機関が占めている。わが国以上の熾烈な受験戦争で知られる韓国において、キリスト教に基づく高等教育機関が韓国の高等教育界を占めていることから、担う重要性は見逃せない。日本による統治期やその後の軍事政権期など、宗教教育にとっての様々な試練を潜り抜け、キリスト教主義高等教育機関はいかにして韓国高等教育界に根付いたのか?その時々の社会的ニーズに対応し、多様な学問領域を背景に高等教育を葛藤しながらも拡大して今日の水準に引き上げた取り組みを綴った労作。
目次
研究の背景と目的
韓国におけるキリスト教の発達
第1部 キリスト教主義高等教育機関の性格形成の萌芽(監理派の教育事業戦略:植民地教育政策に対する抵抗と譲歩;監理派の事業戦略の具現化:キリスト教主義専門学校の成立;高等教育事業における長老派の理念と葛藤)
第2部 大韓民国期における教育機関の性格の確立:政策と社会との協調(解放後のキリスト教主義高等教育機関の形成基盤;高等教育機関の設置認可をめぐるキリスト教団の葛藤と戦略:軍事政権期における「無認可神学校」の各種学校への改編;高等教育の規模拡大期における短期高等教育機関の再編戦略:専門大学の学士課程を中心に)
キリスト教主義高等教育機関の拡張の背景
著者等紹介
松本麻人[マツモトアサト]
名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授。名古屋大学大学院教育発達科学研究科単位取得満期退学。文部科学省外国調査第2係長を経て、2008年より現職。博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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