内容説明
プーチン体制の目指す教育と国家の未来を問う!ソ連邦の解体から30年。社会主義体制から資本主義体制への移行、そして新自由主義教育政策の下でロシアの教育はどのように変容したのか。グローバル化対応と多民族国家ロシアの国民統合との統一を目指す教育改革の実態に迫る、待望の書。
目次
ロシアにおける新自由主義教育改革の諸相
第1部 新自由主義教育政策の展開(教育改革の25年―政策、成果、展望;新しい時代の教育ガバナンス―ロシア連邦教育法に見る教育制度・教育行政)
第2部 多民族国家の国民統合の模索(シティズンシップ教育の軌跡と変容;先住少数民族の法保障と教育権;多言語教育政策の現状と課題―母語教育保障、国民統合とグローバル化対応の葛藤;ロシアにおける宗教教育の導入と今後の課題;ロシアの音楽学校における伝統的民族音楽の再生―トゥバ共和国クズル芸術学校を例に)
第3部 現代ロシアの教職・教師像(教育改革と教師教育改革の変遷;現代ロシアの教師像)
第4部 教育のグローバル化と国際標準化への対応(ボローニャ・プロセスと大学改革;高等教育改革と研究者養成;インクルーシブ教育をめぐる諸相―すべての子どもに教区への平等なアクセスを)
第5部 教育遺産の再構築(ソビエト教育とは何であったか;就学前教育制度の機能と役割の変化―社会主義のソ連から資本主義のロシアへ;ロシアの数学教育―卓越性への道程;ヴィゴツキーの心理学・教育学理論を読みなおす―共同学習と補充教育を中心に;学校制度と並び立つもう一つの教育制度―ロシアにおける補充教育機関の展開と課題;ソ連の遺産とグローバル世界への離陸―エストニアを事例として)
特別寄稿 ソ連・ロシアの教育研究に携わって
巻末資料