内容説明
日本の異言語教育の特異なありようを、広く歴史的・国際的な視点から展望し、その「宿痾の病巣」を鋭くえぐる。これは、基本的には組織的な異文化接触の問題であり、「教師と学習者の能力や努力を超えた問題」と「教師と学習者の能力や努力そのものが厳しく問われる問題」とを厳しく峻別する問題である。
目次
「歴史は繰り返さない、もし人が歴史に学ぶならば」―「まえがき」に代えて
教師と学習者の能力や努力を超えた問題(異言語教育論に不可欠な基本認識(1)―数学の学習と学習者の言語:数学は超民族的な普遍性をもつ教科なのか
異言語教育論に不可欠な基本認識(2)―異言語の学習と学習者の言語:英語の学習に学習者の母語はどう関わるのか
異言語教育を支える教育姿勢―日本の異言語教育政策)
教師と学習者の能力や努力そのものが厳しく問われる問題(異言語教育を考えるための視点(1)―日本人の言語・文化意識
異言語教育を考えるための視点(2)―姓名表記の考え方:国語審議会の勧告をめぐって)
日本の異言語教育の現状をどうみるか―「あとがき」に代えて
著者等紹介
大谷泰照[オオタニヤステル]
桃山学院大学、関西大学、大阪大学、滋賀県立大学、名古屋外国語大学、各教授を歴任。大阪大学名誉教授、滋賀県立大学名誉教授。異文化接触論、言語教育政策専攻。著書に『日本人にとって英語とは何か―異文化理解のあり方を問う』(大修館書店、2007)(2009年度大学英語教育学会賞学術賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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