内容説明
個人化するアイデンティティ形成の時代―人生の目的と展望を築き、いかに行動を起こすか?伝統が揺らぎ、制度と規範が不安定化する後期近代、人生の目標を個人で設定して達成することが強制されている。人生は個人化する人生プロジェクトとなり、学校から仕事・社会へのトランジションは流動化し、複雑で不確実な相貌を剥き出しにする。構造的障壁を課す社会構造と戦略的対応を求める文脈を前にして、人生をプロアクティブに切り抜けることはいかにして可能か?若者のアイデンティティ形成をめぐる知の土台をセットする!
目次
第1部 アイデンティティの問いの哲学的概念的ルーツ(永遠の問いから現在の理論へ;文化と歴史―現在の経験がいかに過去と異なるのか;アイデンティティとその形成の社会心理学)
第2部 後期近代―個人化プロセスへの文脈的適応(道徳的推論―個人化されたアイデンティティの関係論的基盤;プロアクティビティ―アイデンティティ形成におけるエージェンシー;アイデンティティ資本―後期近代社会への戦略的適応)
第3部 成人期へのトランジション―発達的文脈主義を後期近代へ適用する(自己発達とアイデンティティ形成への最近の科学的アプローチ;後期近代社会におけるアイデンティティ形成の諸文脈;アイデンティティ形成と人間発達の可能性)
著者等紹介
河井亨[カワイトオル]
立命館大学スポーツ健康科学部准教授。2013年京都大学大学院教育学研究科博士課程修了、博士(教育学)、2013年立命館大学教育開発推進機構講師を経て2018年より現職。専門:大学生の学びと成長、大学教育学
溝上慎一[ミゾカミシンイチ]
学校法人桐蔭学園理事長。桐蔭横浜大学学長・教授。1970年生まれ。大阪府立茨木高等学校卒業。神戸大学教育学部卒業。京都大学博士(教育学)。1996年京都大学高等教育教授システム開発センター助手、2000年同講師、教育学研究科兼任、2003年京都大学高等教育研究開発推進センター助教授(のち准教授)、2014年同教授。2019年学校法人桐蔭学園理事長、桐蔭横浜大学特任教授、2020年4月より現職。専門:心理学(現代青年期、自己・アイデンティティ形成、自己の分権化)と教育実践研究(生徒学生の学びと成長、アクティブラーニング、学校から仕事・社会へのトランジション、キャリア教育等)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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