内容説明
2020年度から小学校で、2021年度から中学校で「主体的・対話的で深い学び」を軸とした新しい学習指導要領の完全実施が始まる。しかし、今日行われている「主体的・対話的で深い学び」に向けた教育実践は、個々の教科・教育領域の中での閉鎖性や、実際の教育効果検証の欠如などの課題を抱えており、それは教育学の研究分野においても例外ではない。本書はこうした課題に応え、教育領域を問わない普遍的な「主体的・対話的で深い学び」の理論的土台の構築に加え、プログラミング教育やVR教材などの新しい教育も含めた各教科教育の実践事例を通し、「主体的・対話的で深い学び」のより具体的なあり方を指南した一冊である。
目次
第1部 総論編:「深い学び」に関する政策的・理論的・心理学的検討(「主体的・対話的で深い学び」とは―その内容と課題;アクティブラーニングを構成する諸理論からみる「主体的・対話的で深い学び」の実践上の注意;対話的な学びに伴う「想起」の学習促進効果―教育実践への応用に向けて)
第2部 各論編:「深い学び」による授業改善の実践とその教育効果の検討(新しい教育課題における「深い学び」の視点に立った授業実践とその教育効果―プログラミング教育を事例として;教科書がない授業における「深い学び」の授業実践とその教育効果―中学校の保健体育を事例として;「メタ認知」を活用した「深い学び」の授業実践とその教育効果―理科教育を事例として;特別な支援を必要とする生徒への「深い学び」の授業実践とその教育効果―高等学校の数学指導を事例として;算数・数学科における「深い学び」と授業改善の視点;国語教育における「深い学び」による授業改善の視点―古典教材『竹取物語』の教科書表記から考える)
著者等紹介
遠藤孝夫[エンドウタカオ]
1989年に東北大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。1997年10月から2007年3月まで弘前大学教育学部に助教授・教授として勤務。現在は岩手大学教育学部教授(学部長兼任)。博士(教育学)。専攻はドイツ教育史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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