内容説明
平成の市町村合併によって、自治体行政と地域コミュニティの関係性が大きく変容し、地域活動や自治意識が停滞した。平成が終わり、わが国に来る新時代、地域社会はどこに向かうのだろうか?本書は、平成18年に1市3町が合併した岩手県花巻市における事例分析を通し、自治体行政と地域コミュニティの公共的な役割分担のための「よりよい」対話・調整―「境界領域マネジメント」―の方途を明らかにする。霞が関の官庁勤務から合併前の東和町に移住し、東和町・花巻市の地域行政に20年以上携わった異色の経歴を持つ著者による渾身の労作。
目次
第1章 序論
第2章 境界領域の実態と課題
第3章 合併前における境界領域マネジメントの実際
第4章 境界領域マネジメントの地域性と住民意識
第5章 地域コミュニティと行政の関係の歴史的形成
第6章 合併後の境界領域マネジメントの変容とその影響
第7章 地域コミュニティと行政の関係性の再構築に向けて
第8章 総括
著者等紹介
役重眞喜子[ヤクシゲマキコ]
1967年生まれ。千葉県出身。東京大学法学部卒業後、農林水産省に勤務し、岩手県東和町役場(当時)に出向。その後移住・定住し、東和町及び市町合併後の花巻市で教育次長、地域づくり課長、総務課長等を務める。2012年に早期退職後、岩手大学大学院連合農学研究科で平成の大合併と行政・地域コミュニティ関係を研究し、博士号取得(農学)。行政学、地方自治論、地域協働論専攻。花巻市コミュニティアドバイザーとして地域自治の制度運用と改善に現場で携わるほか、各地の地域づくり支援などに取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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