内容説明
グローバリズムへの従順が、わが国の教育にカタストロフィをもたらす!1980年代以降、それまでの近代的国民教育から、経済成長に資する能力育成が学校教育に求められるようになり、学習は「投資」になった。本書は、アメリカやヨーロッパ、日本などにおける国民教育が、OECDやUNESCOなど国際機関が推進した経済的能力育成教育へと移行する過程において、国家によって異なるかたちで顕在化した今日まで続く課題の諸相を浮かび上がらせた労作である。訳文には原文を常に併記し、緻密な索引なども充実した、グローバル化と教育に関わる数多くの問題の根底を示した比類なき一冊。
目次
今日の教育問題とは
第1部 政治視点から経済視点への転換―学校・大学・職場に一貫するグローバルな投資環境整備として(グローバル時代の大学―国際的な学力とは;教育投資の拡大と義務教育の喪失―生涯学習制度の意味;グローバルな大学改革の始まり;生涯学習論の再提起)
第2部 教育効果を測る―OECDデータ戦略(学力論と能力政策の拡大―非認知能力育成を学校教育に組み入れる;広域テストから国際調査へ;データ戦略の確立;データ戦略の展開)
見えなかったものは見えたか
著者等紹介
福田誠治[フクタセイジ]
1950年生まれ、都留文科大学学長兼副理事長。研究テーマは「人間形成論」、教育哲学/比較文化専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぺろりん
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情報量が多い。グローバルな教育改革の動きを捉えておく必要がある。[文献]マルカム・ノールズ『成人教育の現代的実践ーペダゴジーからアンドラゴジーへ』鳳書房、2002。D.W.ジョンソン『学習の輪ー学び合いの協同教育入門』二瓶社、2010。ユネスコ「21世紀教育国際委員会」『学習:秘められた宝』ぎょうせい、1997。OECD新国際教育指標開発『人生への準備は万全?』学文社、1998。OECD/CER『カリキュラム改革と教員の職能成長:教育のアカウンタビリティーのために』アドバンテージサーバー、2001。2019/08/28