内容説明
社会問題をめぐる理論と実践に向き合い、生涯をかけた知的営為の集大成。―現代社会を生きるわれわれに向けられた舩橋社会学の遺功。舩橋晴俊教授は、日本を代表する社会学者として、新幹線公害や水俣病など個別の環境・社会問題に取り組み、晩年は東日本大震災の発生に伴う原子力政策や放射性廃棄物問題など複合的な社会問題の解決に理論・実践の両面から注力してきた。しかし、同氏の研究業績を体系的に纏めた集大成としての大著が完成間近という時に急逝。研究者である遺族と弟子たちが力を結集させ、今、遂に完成となった。最期まで社会と向き合い奮闘した、研究者としての生き様と情熱をまざまざと感じさせられる、まさに不滅の功績である。
目次
「社会制御過程の社会学」の課題と方法
第1部 単位的な社会制御過程(協働連関の二重の意味での両義性;沼津市における分別収集の導入―経営システムにおける変革過程;名古屋市における新幹線公害問題―支配システムにおける被支配問題の解決 ほか)
第2部 複合的な社会制御過程(制御システムの4水準と社会制御システムの特性;フランスの新幹線公害対策と公益調査制度―支配システムの文脈で社会制御システムが事業システムに課す枠組み条件の効果;再生可能エネルギー普及政策の日独比較―経営システムの文脈で社会制御システムが事業システムに課す枠組み条件の効果 ほか)
第3部 東日本大震災と社会制御過程の社会学(遺稿)(災害型の環境破壊を防ぐ社会制御の探究―東日本大震災は日本社会に対する自己批判的解明を要請している;持続可能性をめぐる制御不能性と制御可能性;原子力政策は何を判断基準とすべきか―政策転換に必要なパラダイム転換とは ほか)
著者等紹介
舩橋晴俊[フナバシハルトシ]
1948‐2014。法政大学名誉教授。社会学理論、環境社会学、社会計画論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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