内容説明
「アイヌ」とはだれか?―民族アイデンティティと近代化の葛藤。アイヌ民族が、飼い熊を神の世界に送る儀礼―イオマンテ―。近代化に伴う劇的な社会環境の変化は、その儀礼様式に様々な変化をもたらし、それは同時に、個々人の「アイヌ」アイデンティティにも大きな影響を与えた。本書は、明治以降に行われた52件にのぼるイオマンテの史料をたどり、同時代の社会とイオマンテとの関係性を捉えることで、「アイヌ」なるものを創り上げてきた本質へと接近する、挑戦的力作である。
目次
序章
第1章 天覧のイオマンテ(明治14年)―外交のツール
第2章 観光のイオマンテ(昭和7年)―ビジネス戦略
第3章 「最後」のイオマンテ(昭和35年辺り)―蔑視と憧憬のジレンマ
第4章 イオマンテの再生(平成元~6年)―名誉の回復
終章
著者等紹介
西谷内博美[ニシヤウチヒロミ]
民間企業での就業を経て大学院に進学。2001年シカゴ大学人文学研究科修士課程修了。2005年法政大学大学院社会科学研究科修士課程修了。2012年法政大学大学院政策科学研究科博士後期課程修了。博士(政策科学)。関東の諸大学にて非常勤講師。専門は環境社会学、開発社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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