内容説明
2016年、日本では毎日約60人が自殺した。近年は減少傾向にはあるとは言え、未だ世界ワーストレベルである。果たして、人々はこの異常さを認識しているだろうか?「自殺は個人の選択のひとつ。」このような意見を持ってしまうこと、それ自体がまさに近代化―個人主義、地域共同体の瓦解、家族の縮小―の暗部である。競争社会が「敗者」を死へと追い込む。その死は「個人の選択」とみなされる。もはや深刻な社会病理である。本書は、社会病理としての自殺の社会・文化的要因を明らかにし、行政が実践としてどう問題に対処できるかを提示する、よりよい社会の構築に向けた研究提言である。
目次
第1章 序論
第2章 「生」中心の現代社会の仕組み
第3章 現代の社会病理現象としての自殺
第4章 「追い込まれた死」としての「自殺」
第5章 結論―自殺増加抑制
第6章 今後の展望―地域社会の再生
著者等紹介
石濱照子[イシハマテルコ]
2009年東洋英和女学院大学大学院卒業、博士後期課程単位取得。人間科学(博士)東京都中野区中部地域子ども家庭支援センター長、東京都中野区健康福祉部健康・スポーツ担当課長を経て、東京都中野区南部すこやか福祉センター所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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