内容説明
伝説はフィクションか?―伝説・金属・日本ナショナリズムの確かなつながり―。わが国の各地では、河童や鬼などさまざまな地域伝説や信仰が語り継がれてきた。それらは「日本的なもの」を構成する重要な要素であるにも関わらず、脚色の多さなどもあり、社会科学の分野からはこれまで軽視されてきた。本書は、これらの伝説や信仰には共通して鉄などの金属的要素がみられることに着目し、その妥当性を検証する。「日本的なもの」を創り上げた、伝説と金属の奥深い関係性を説いたユニークな研究である。
目次
第1部 方法論―河童と鬼(本質への視点―若尾民俗学の検討をつうじて;鬼伝説の構造)
第2部 事例分析(はんどう山と常徳鍛冶―銅でつながる一つの道筋;房総・弘文天皇伝説の背景的世界;畠山重忠と鉄の伝説 ほか)
第3部 神話の解体、民話の始原(国家の主意主義的理論;郷土の研究とナショナリズム―厚狭の寝太郎伝説などをめぐって)
著者等紹介
井上孝夫[イノウエタカオ]
1957年生まれ。千葉大学教育学部教授。社会学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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