内容説明
タイの人権教育は、文化的・宗教的・民族的多様性を有する国内情勢と、グローバリゼーションが加速する国際情勢との狭間で常に揺れ動かされ、地域特性に見合った複合的な「人権」概念を伝えるものとなっている。この緩やかな人権概念の適用が結果として多様な教育実践を可能とする。人権教育の多様性を包括的に解く本書は国内外の多様な地域に援用でき、まさに先進的な実践事例を描いた理論と実践の労作である。研究者のみならず教育現場に携わる全ての人々に希望的示唆となるだろう。
目次
第1部 総論:人権の淵源と人権教育の歴史(人権教育の世界的潮流)
第2部 タイにおける人権と公教育(タイの権利運動と人権概念の歴史的変遷;タイの学校教育体系と公教育における価値教育;タイ北部少数民族の教育機会保障)
第3部 タイにおける人権教育の実践と意識(タイの人権教育実践とその理念的背景;バンコクにおける中高生の「平等」に対する解釈の違い)
タイにおける人権教育の多様性の許容
著者等紹介
馬場智子[ババサトコ]
1982年生。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(教育学)。比較教育学専攻。千葉大学教育学部特任助教を経て、岩手大学教育学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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