内容説明
慣習国際法理論、国家責任論、地球環境問題、海洋法に関わる諸課題等、広範な展開を示す。故田中則夫教授の追悼を機に、教授と親しかった研究者16名が、それぞれ専門分野の先端的問題の解明を期して、新たに書き下ろした力作を編纂・収録した論考集。
目次
第1部 国際法理論の現状と課題(慣習国際法論は社会進歩のプロジェクトに貢献できるか?―意思主義の再構成を目指して;国家責任条文における義務の類型化と「被害国」の概念―第42条と第48条の関係を中心に;対抗措置における実効性の要求―最近の国際実践の批判的検討と試論;先住民族の伝統的知識と知的財産権;海洋と人権―国境管理措置と不法移民の人権保護を素材に;九段線の法的地位―歴史的水域と歴史的権利の観点から)
第2部 地球温暖化防止の新制度(人類の共通の関心事としての気候変動―パリ協定の評価と課題;パリ協定における義務の差異化―共通に有しているが差異のある責任原則の動的適用への転換;国際海運からの温室効果ガス(GHG)の排出規制―国際海事機関(IMO)と地球温暖化の防止)
第3部 海洋法の現代的展開(海の環境と生態系の保護(海洋生物資源の環境問題化―NGOは国際交渉にどこまで関与できるのか?;北西ハワイ諸島における海洋保護区の系譜―海洋法条約第121条の解釈と実際;深海底活動に起因する環境汚染損害に対する契約者と保証国の義務と賠償責任―国際海洋法裁判所海底紛争裁判部の勧告的意見を手がかりに)
海の機関の手続と機能(国連海洋法条約における大陸棚限界委員会(CLCS)の役割と機能―国際捕鯨委員会科学委員会(IWC‐SC)との比較の観点から
大陸棚延診と大陸棚限界委員会手続規則の問題点―日本の延伸伸請を素材として
深海底資源開発をめぐる国際法上の検討課題について―国際海底機構(ISA)の活動を中心に
ITLOS大法廷が勧告的意見を出す管轄権の根拠))
著者等紹介
松井芳郎[マツイヨシロウ]
名古屋大学名誉教授
富岡仁[トミオカマサシ]
名古屋経済大学教授
坂元茂樹[サカモトシゲキ]
同志社大学教授
薬師寺公夫[ヤクシジキミオ]
立命館大学教授
桐山孝信[キリヤマタカノブ]
大阪市立大学教授
西村智朗[ニシムラトモアキ]
立命館大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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