内容説明
閉鎖型学習空間打破への新たな試行。授業は学生への知識提供の場という、教員の多くが抱いている通念は今や破綻しつつある。今日の学生は知識と共に、あるいは知識以上に、自己を刷新へと導く未知の起動力と体験を大学に求めているのだ。教員だけでなく学外からの授業協力者・見学者、さらに学生自身も隔てなく発言・参画しうる新たな協働授業形態は、学生はじめ参加者をどう変えたか―本書は、この劇場型授業の実践記であると共に、内容、意義、将来展望等、当事者21名を結集した貴重な論考集である。
目次
第1章 共感でつながるオープンな大学の教室(大学の教室(授業)の現状と課題とは何か?
課題から見えてきた新たな授業スタイル)
第2章 学生が学びたくなる授業の工夫(授業の秘密を解き明かす;授業に関わるステークホルダーの役割と機能)
第3章 アクティブ・ラーニングを促進する新しい学習評価(第三者による対話型リフレクション;学びの意識と学びの場を改善するリフレクション;次につながる主体的な学びを促すリフレクション)
第4章 劇場型授業スタイルと未来の教育への萌芽(劇場型授業スタイルの概念;筒井実践の課題と可能性―大学教育のイノベーションに繋げるために;劇場型授業の可能性とそれを支える枠組み)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kentaro
3
ダイジェスト版からの要約 大学の教壇には、普通は教員が立っているが、この授業では、学外者が教壇に立つ。普通であれば教員は教壇付近にいるものだが、この授業では、教室の後ろに行って見学者と相談したり、授業を眺めていたりする。教員は、教壇に立つよりも、授業全体の進行や役割分担に注意を向けている。この授業では、学生が互いに協力しながら、自ら学びを深めていき、その学びが日常生活の中でも活かされていく。学生の内発的な学びを促進するには、教員=教える人ではなく、学びを促進するファシリテーターとしての役割に専念している。2018/04/10