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内容説明
二度の世界大戦をはじめ、大規模な災害や事故、公害など、近代の歴史は惨禍に満ちている。近代国家の成立と共に誕生したミュージアムは、これらの惨禍を記憶し、それに公的な意味を与えることを求められてきた。ミュージアムは、国家や公共団体が与える意味を展示のかたちで再現する媒体にすぎないのか。そうではなくて、ミュージアムが新たな意味の地平を切り開き、来館者を思索と討議へといざなうことはできないのか。本書は、さまざまなミュージアムの試みの検討を通じて、ミュージアムの可能性を追求した本格的論集である。
目次
フォーラムとしてのミュージアム
第1部 戦争の展示:複数形の展示は可能か(歴博「現代展示」と戦争認識;アウシュヴィッツをおとずれること;ミュージアムにおける暴力の文化史―ドイツ連邦軍軍事史博物館の構想とその実現;平和の聖地と悲惨のありか)
第2部 記憶の公共空間としてのミュージアム(「公害」をどう展示すべきか―水俣の対抗する二つのミュージアム;ハンセン病療養所の保存―手段としての世界遺産)
第3部 自然災害による破壊をどう記憶していくか(トラウマを超えて―東日本大震災の展示と震災遺構の保存をめぐって)
研究ノート(カンボジアにおける復興と虐殺の記憶―シェムリアップ、アンコール遺跡、キリング・フィールド;ベトナム戦争戦没者慰霊碑;侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館(南京大虐殺記念館)
心で感じるミュージアム―日本軍「慰安婦」歴史館
西大門刑務所歴史館
ホロコースト記念博物館(ワシントン)
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター)
著者等紹介
竹沢尚一郎[タケザワショウイチロウ]
福井県生まれ。1976年、東京大学文学部哲学科卒業。1985年、フランス社会科学高等研究院で社会人類学の博士号取得。九州大学文学部助教授、1998年、同大学院人間環境学研究院教授。2001年、国立民族学博物館教授、総合研究大学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nobuko Hashimoto
takao