内容説明
社会における不確実性の縮減と恒常的な完全雇用の達成―その鍵は、集合的アイデンティティ圏としての東アジアへの共通通貨の導入にある。共通通貨は、対立と摩擦を防ぎ、社会を安定へと導き、この地域に運命共同体を創る。貨幣を媒体とした人間活動を通じて経済学、政治学および哲学の知を融合し、「マルクス」の道や「ハイエク」の道に対し、グローバル時代における「中道」を提示する新たな理論的挑戦の書。
目次
1章 貨幣ゲームとしての社会
2章 自由論の系譜
3章 ケンブリッジにおける日常言語学派
4章 ケインズ『一般理論』の問題意識と方法論
5章 国家における経済体系
第6章 有効需要と雇用
7章 管理通貨制度の下での銀行業
8章 株式会社と設備投資
9章 国境を越える経済統合下での各国の雇用調整
10章 新たな貨幣ゲームへ
著者等紹介
柳田辰雄[ヤナギタタツオ]
東京大学大学院新領域創成科学研究科教授。1976年3月東京大学経済学部経済学科を卒業、1978年3月東京大学経済学研究科経済学専攻修士課程修了、国際通貨基金(IMF)エコノミスト、東京都立大学経済学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科助教授、教授を経て、1999年4月より現職。この間ジョンズホプキンス大学客員研究員、ニューヨーク市立大学院センター客員助教授、2002年8月まで1年間国際協力事業団派遣専門家、インドネシア共和国財務省財政分析庁財政アドバイザー。経済学博士(東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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