内容説明
文化大革命が招いた惨劇は、階級闘争奉仕専一から国民の素質を創造性・自主性に向け涵養する「素質教育」へと、中国教育に一大転換をもたらしたが、それはまた経済成長を導く人材育成という新たな目的に対応するものだった。この素質教育の核心に位置づけられたのが「主体性」概念だが、中国の主体性教育には、国家社会への貢献という「社会性」志向が常に投影されていた。本書は、この独自の主体性教育展開の経緯を理念と実際の両面から詳細に論究する。
目次
序章
第1章 「主体性」育成研究の理論的変遷
第2章 「主体性」育成に関する実験の展開―裴〓(てい)娜の研究に焦点をあてて
第3章 教育政策における「主体性」―育成すべき人間像と育成方法の変遷に焦点をあてて
第4章 課程政策にみる児童「主体性」―国語科の教育目標・内容と教科書の分析を中心に
第5章 教育実践における児童「主体性」―小学校における国語授業の事例研究
終章
著者等紹介
李霞[リカ]
1978年生まれ。2001年に中国湖南省湘潭大学外国語学部日本語専攻卒業。同年、交換留学生として滋賀大学教育学部へ派遣。2005年同大学大学院教育学研究科修士課程修了後、京都大学大学院教育学研究科修士課程へ入学。2012年同大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。比較教育、カリキュラム専攻。京都大学大学院教育学研究科研究員を経て、プール学院大学短期大学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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