内容説明
既成の諭吉像に新たな1ページを加える新研究。諭吉は誰もが知る明治維新期の代表的言論人であり、いわば近代日本を導いた「啓蒙の巨人」である。当然もはや研究の余地がないほど関係書も無数だが、同時にこうした「巨人」には、従来語られなかった未知の一面を常に内蔵しているという特性があるのだ。本書もまた、諭吉の全体像を俯瞰すると共に、諭吉と明治政府との関係をはじめ、その宗教観、特に「ユニテリアン」評価等につき新たな見解を展開して、既成の諭吉像に変容をもたらす長年の研究の結実である。
目次
1 中津藩士として(「日用の学」;蘭学修業)
2 外遊と著述と(最初の渡米;貪欲なヨーロッパ行;翻訳と著述;二度目の渡米と『西洋事情』)
3 啓蒙と出版と(維新前後;『学問のすゝめ』の意図;出版業者として)
4 慶応義塾と彦次郎と(慶応義塾の設立;『学問のすゝめ』各編の趣旨;所謂「明治一四年の政変」;『時事新報』刊行の経緯)
5 諭吉の宗教観(宗教について;晩年の諭吉)
著者等紹介
高橋昌郎[タカハシマサオ]
1921(大正10)年群馬県高崎市に生まれる。東京大学文学部国史科卒業。元・清泉女子大学教授。日本近代文化史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。