内容説明
核兵器国に対抗するための核兵器開発―北朝鮮、イランに限らずその危険は今後とも無視できない。核テロの恐怖も核兵器の存在とともに持続する。真の世界平和のためには核兵器廃絶が不可欠だ。多くの障害を見据えた上で本書が強調するのは、近年における「包括的アプローチ」の深化だ。核兵器禁止条約、核軍縮の人道的アプローチ、核兵器の有用性批判等、究極の目標を視野に入れたこれらの論議・措置の総合的展開こそが「理想への現実的アプローチ」に他ならない。
目次
第1章 核兵器のない世界の構想(4人の米国元高官による提案;オバマ大統領のプラハ演説と核軍縮政策;核兵器廃絶に関するその他の提案;2010年NPT再検討会議;オバマ大統領のベルリン演説と核兵器運用戦略)
第2章 核兵器のない世界達成へのアプローチ(核兵器禁止条約;核軍縮への人道的アプローチ;核兵器の非正当化)
第3章 核兵器の役割の低減(核兵器の第一不使用;消極的安全保証;核兵器の警戒態勢の解除)
第4章 核廃絶への現実的アプローチ(長期的で包括的な諸措置;短期的で個別的な諸措置;むすび)
著者等紹介
黒澤満[クロサワミツル]
大阪大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、博士(法学)。専門領域:国際平和・軍縮、現在大阪女学院大学大学院教授。大阪大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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