内容説明
EU移民研究における未開拓分野への教育人類学的アプローチ。EU各国で移民問題が急速に政治化する中、中国系移民は総じて適応の成功モデルと見なされ、いわば問題の埒外にあった。だが、1980年代以降の新移民の流入によって、EU各国の中国系コミュニティは大きく変化し、新たな様相を呈している。対象をイギリス・フランス・オランダの中国系第2世代と中国系新移民の子どもへと広げ、学校適応・不適応をめぐる問題を追求した本書は、長年にわたる詳細な調査を通じ移民研究を深化させる労作である。
目次
序章 研究課題と理論的枠組み
第1章 中国系移民の歴史的背景と新移民流入による変化
第2章 移民政策と移民教育政策
第3章 中国系第2世代への中国語教育―正規の学校と中国語補習校
第4章 中国系第2世代と学校適応
第5章 中国系第2世代と文化的アイデンティティ形成
第6章 中国系新移民の子どもと学校不適応
終章 EUにおける中国系移民と学校適応・不適応
著者等紹介
山本須美子[ヤマモトスミコ]
九州大学大学院教育学研究科博士課程修了、博士(教育学)。現在、東洋大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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