内容説明
経済開発援助から社会と人間のより包括的かつ持続可能な開発へ―開発概念の深化に伴い拡大・発展してきたオーストラリアの開発教育は、今や人権・多文化・環境・平和教育等とも分野を共有し、「地球的危機」解決へ向けた実践的育成をめざす「グローバル教育」として展開されている。本書は、こうした経緯を活写し、さらに、カリキュラム、授業実践、評価法など学校教育への導入について具体的に紹介・考察した初の書であり、今後のわが国の開発教育・グローバル教育充実のため必須の研究である。
目次
第1部 グローバル教育の歴史的展開(開発教育からグローバル教育への歴史的展開―NGOによる取り組みから国家プロジェクトへ;グローバル教育プロジェクトの全体像とその特質―連邦政府が国家プロジェクトに及ぼす影響)
第2部 グローバル教育プロジェクトへの開発教育研究の継承(コルダーとスミスの開発教育論の特質と課題―イギリスにおけるグローバル教育研究の継承;フィエンの開発教育論の特質と課題―批判的教育学に基づく開発教育論の展開;『グローバル・パースペクティブ・シリーズ』に対する連邦政府からの影響―開発教育研究の継承と変容)
第3部 グローバル教育の新たな展開と可能性(『グローバル・パースペクティブ・シリーズ』に基づく実践の具体像とその可能性―開発教育論の抱える課題の克服に向けた展望;後期中等教育修了試験が実践に及ぼす影響―教育評価のあり方に関する問題提起)
著者等紹介
木村裕[キムラユタカ]
1981年兵庫県神戸市生まれ。京都大学大学院教育学研究科教育科学専攻博士後期課程学修認定退学。博士(教育学)。日本学術振興会特別研究員を経て、2009年4月より、滋賀県立大学人間文化学部助教。専攻は教育方法学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。