内容説明
時期によりその相貌を大きく変えるフーコーの営為の中に、思考の断絶を見る一般の見方に対して、その全時期を貫く「重心を移動させながらの一貫性」を追求したスリリングな研究。フーコー自身の発言を手がかりとした全テキストの精細な検証を通じ、各時期の焦点をなす知・権力・主体化という三要素の探求は同時に、人間の実存を構成する諸要因を変容に導く「実践的批判」の行使であることを明示し、フーコー哲学の真髄に迫る。
目次
第1章 人間学の問題圏(古典主義時代のエピステーメー;近代のエピステーメー;有限性の形而上学)
第2章 規律権力・人間諸科学・主体性(権力の分析論―問題の所在;規律権力の形成過程(刑罰と社会秩序;資本主義社会の秩序)
監獄の失敗と人間諸科学の形成
他者認識の権力―真理の現実化(1)
自己認識の権力―真理の現実化(2))
第3章 生物権力と主体性(生物権力の問題圏;カンギレムと生物権力;生物権力と自然性;フーコーの哲学的企図)
著者等紹介
手塚博[テズカヒロシ]
1981年埼玉県生まれ。2010年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、東京海洋大学・國學院大學非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。