内容説明
小説家ネッド・バントラインがその日本人と会ったのは、西部辺境“フロンティア”取材の帰途だった。駅馬車の宿駅で、無頼漢どもを撃退した男は、忍者“NINJA”シノビと名乗った。仲間を殺害、逃亡した同類たちを追って、大西部を放浪中だという。彼こそベストセラーの素だと踏んだバントラインは、その旅に同行する。だが、それは“比類なきでっち上げの名手”を自覚するバントラインの想像を遙かに凌駕する魔闘の道程だった。犬に変身する忍者は勇猛果敢なコマンチ族を餌食にし、忍法「揺れ四方」は無法者ビリー・ザ・キッドの立つ大地を陥没させる。対するシノビの忍法「髪しばり」、そして凶盗ジェシー・ジェームスをも驚倒させる忍法「幻菩薩」。やがて、奇怪な分身に苛まれる日本娘・お霧を伴った二人は、テキサスの果てサンアントニオを訪れる。そこには、死者を復活させる魔女エクセレントが待ち構えていた…。ふたたび西部の荒野に炸裂する忍法と六連発。次々に現れる強敵をシノビはいかに迎え撃つ?そして、バントラインとお霧の運命は?『邪神決闘伝』に次いでお送りする忍法ウエスタンの傑作!
著者等紹介
菊地秀行[キクチヒデユキ]
1982年『魔界都市“新宿”』(朝日ソノラマ)でデビュー。作品ジャンルはSF、本格ホラー、バイオレンス、ファンタジー、伝奇と幅広い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぜっとん
4
そりゃ好きだけど、巨匠仕事すぎて雑だぞこれw 死んだはずの忍者の名前に生き残りとして言及してたりするのは確信犯なのか? やりかねないとは思うけれど、ときおり何を書いてあるのかわからない文章とかあるのもダイナミックすぎて素晴らしい。なんというパワープレイ。忍者の動きがサッパリわけわからないで荒唐無稽な結果だけがポコポコ出てくるのはマジで忍者戦闘感あふれていて好きだった。いいなあ。2016/03/25
ペペロニ
3
コテコテな感じが妙にツボ。何も難しいことは考えずに済むストレートな娯楽小説。2016/08/13
ma-no
2
一人称小説なのに、19世紀の人間が知りえるはずがない“未来”の史実を語っておいて「なんでそんなこと知ってるかって? 誰だ、おまえ?」と読者に悪態をつく、菊地先生の自由闊達な筆さばきが最高です。おもしろけりゃいーのだ。2016/01/28
hiro
0
どんな強敵も最後はあっけない、ページが少なくなればなおのこと。誰だ、おまえ?2016/09/25
弓原
0
図書館。内容はタイトルからイメージできるまんま。表紙の時代がかったタッチや、挿し絵ではなく、実在の人物の写真を引用しているなど、デザイン的にも良い2016/07/24