内容説明
第二次大戦の余塵未だ冷めやらぬ1940年代のシカゴ。日本人でありながらマフィアのドンとなった男がいた。その名は衛藤健。別名をモンタナ・ジョー。マフィアのドンたちからは、畏怖の念を込めて「トウキョウ・ジョー」と呼ばれていた。その表情は冴えなかった。それというのも、トウキョウ・ジョーは何者かの視線に悩まされていたからだ。邪悪な気配を帯び、悪意と嘲笑に満ちた視線である。視線と前後してトウキョウ・ジョーは悪夢を見はじめた。夢の中で『ジョー』と叫ぶ声が響く。『地下に行くな、ジョー』…だが悪夢の中でトウキョウ・ジョーはその声を振り切って地下室に続く石段を下ろうとする。悪夢に憔悴したトウキョウ・ジョーは強力な助っ人を雇う。第2次大戦中スパイとして活躍した、その名も「神門刀帯(ごとう・たてわき)」―。
著者等紹介
朝松健[アサマツケン]
1956年生まれ。西洋魔術や立川流に造詣が深い。日本で最も多くのクトゥルー神話を創作する。最近は時代伝奇小説も多数、執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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sin
40
なんか消化不良、早書きというのか物語が十分に練れていない感じがします。導入部分で醸し出した期待感に反して行き当たりばったりな展開が残念です。主要な登場人物二人の役割分担が、ごちゃ混ぜにしか思えなくてキャラクターのインパクトも薄まってしまったような感触も期待外れ、サクッと読んでそれだけ『邪神帝国』には遠く及びません。2015/10/27
瀧ながれ
26
小説を乱読していると、初めて見かけたのがいつだか忘れたし詳細はしらないけど、記憶に残っている名詞というのがいくつもあったりしますが、わたしにとってその中の一人、トウキョウ・ジョーが主人公です。…ほう、こういう背景の、実在した人物だったのか。ストーリーは、このレーベルですので、ニャルラトホテプやヨス=トラゴンという名前が乱れとんでポルターガイストを起こし、昼間からゴーストが現れて人間が人間をやめちゃうもの。クトゥルー系怪異は、ステキに五感を刺激しますなあ。映像では見たくないです、いろいろ。2015/11/17
miroku
15
ナイアルラトホテップVSヨス=トラゴンの争いに巻き込まれたマジカルなギャング! 朝松健さんらしい作品だ♪2019/12/18
ettyan えっちゃん
4
邪神帝国にも出ていた神門帯刀が、用心棒として出てくるが、ほぼ主役。 レンの大地から生まれたモノクルを操る日本人のマフィアのボスが、ナイアルとヨストラゴンの戦いに巻き込まれる。 読み始めると、読み慣れた単語ばかりなため、スラスラ読めて、最後までとても面白く読み終えた。 他に神門帯刀のシリーズは、ないのかなぁ2019/11/15
カマー
4
ハードボイルドオカルトクトゥルフといった今作 クトゥルフとギャング物という異色の組み合わせだが、これがなかなか合い独特の雰囲気を醸し出している 恐ろしく読みやすいので気づいたら後半戦ぐらいまで突入していた 登場する邪神も大物だったり作者の別の作品とのつながりもあるので楽しめる 2016/11/25
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