内容説明
ルルイエが浮上して一年、世界はなお戦闘を続けていた。一方、南海の孤島に、ある密命を帯びた飛行小隊が駐屯していた。米英軍はもちろん、クトゥルー一派もこの小さな島を無視した。だが、ついにクトゥルー猛攻の時が来た。襲いかかる怪戦闘機と海底からの魔物。壊滅を覚悟したその時、彼方より轟く爆音に魔性たちは戦慄する。かつて“魔人”と恐れられながら、戦火の彼方に消えた伝説の名パイロットが、愛機と共に帰ってきたのだった。
著者等紹介
菊地秀行[キクチヒデユキ]
1982年『魔界都市“新宿”』(朝日ソノラマ)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とら
3
その空はクトゥルーに支配されている! なんとルルイエ浮上後と設定されている第二次大戦、ルルイエからは海に沈んだ各国の航空機を改造した航空機が敵として人類の前に現れた! これを撃墜し得るのは別の旧支配者の手を借りた、零戦乗りしかいない……。凄い視点。架空戦記の名を借りた菊地クトゥルー全開なところが楽しい。ぶっとんでます。2014/11/03
NEED LESS
1
194X年、世界は未曾有の危機に直面していた。ルルイエから飛び立つ怪兵器に為す術も無く蹂躙される各国。しかし、国同士の戦争も続いていた。南海の孤島、エリラ島であh密命を帯びた飛行小隊が訓練を続けていた。そこを強襲する魔物達。最早これまでかと思ったその時、行方不明だった伝説のエースパイロット瑠璃宮中佐が帰還する。帰還したエースの目的はエリラ島小隊を鍛え上げ対クトゥルー戦に臨むこと。 クトゥルー戦記第三弾は空が舞台。零戦を駆る男達の生き様、世界は邪神を相手にどう戦うのか。第四弾も企画が進んでいるようで楽しみ。2015/03/19
hiro
1
クトゥルー戦記というコトで、戦記モノにクトゥルーを絡めたシリーズの第3弾。前作から感じていたことだが、どうも窮屈な感じがして、作品にのめり込めなかった。魔界都市新宿やウェスタン武芸帳にあった、作者の持ち味である、読者の想像をかるく凌駕する、いつもの世界観設定が足りないような気が。集団的自衛権反対の主張は今作でも健在だったが、次のクトゥルー作品はウェスタンモノということで、そっち方面は無しでお願いしたいところ。2014/12/15
カマー
1
「邪神艦隊」「ヨグソトース戦車隊」に続く菊地氏によるクトゥルー架空戦記シリーズの第三弾 これで陸海空のクトゥルフ+戦争物がそろったと思うとそれだけで感動もの 肝心の内容は「クトゥルフを倒すために集められたゼロ戦精鋭部隊の訓練と活躍」 シンプルだがストレートでかっこいい 帯の煽り文句の「邪神VS零戦」がこの本の全てを物語っている2014/10/28
nur1202
0
同じ作者の「邪神艦隊」と同じ世界軸の、今回は空戦もの。 どちらかというと、基地でのエピソードの方がクトゥルー色が濃い感じでした。 狂気という点では、菊地作品のなかでも、クトゥルー神話に近い方の作品だと思います。 空戦はちょっとあっさり気味なので、そっちを期待すると期待外れ感があるかもしれませんね。 2016/04/03