内容説明
第1次大戦後、ヒトラーの台頭とともに1933年に政権を掌握し、1945年には崩壊したナチスドイツ。その陰には邪神を信仰するものたちの恐ろしい魔術とさらなる闇が存在していた。緻密に織り込まれたオカルトは、どこまでが史実でどこまでが虚構なのか区別がつかないほどのリアリティと戦慄で迫りくる。アドルフ・ヒトラーの生誕自体が邪悪な存在による意図的なものであるとしたら…その恐怖と狂気が再び甦る日も、いや、それは既に甦っているのかもしれない。ヒトラー、ナチスに焦点をあてたクトゥルー神話の傑作短編集。
著者等紹介
朝松健[アサマツケン]
1956年生まれ。西洋魔術や密教立川流に造詣が深く、また日本で最も多くのクトゥルー小説を創作し、逆宇宙シリーズなど多数の作品を生み出している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bugsy Malone
56
ナチスの史実やナチスに係わる妖しい伝説・伝承、そこにクトゥルフ神話を融合させた連作集。ナチスに関する史実を思い起こしつつ巻末の注釈を捲りながら、それでも著者の知識には追い付けずにあれこれ調べながらの読了。何処が史実で何処がフィクションなのか、正に混沌とさせられてしまう程に見事な融合でした。総じて面白かった中でも、やはりラヴクラフト感の強い『狂気大陸』とヒトラー暗殺の史実と伝説を魔術で彩った『怒りの日』が素晴らしい。暗黒の時代とクトゥルフ神話の相性が良い事を実感させられる傑作集でした。2016/10/23
ettyan えっちゃん
8
素晴らしい、以前にハヤカワ文庫で読んだが、今回再読になるんだけど、名作は何度読んでも面白い 2019/11/10
陽介@中四国読メの会参加中
4
ハヤカワ文庫版にて既読。ナチスとクトゥルーの組合わせが実におぞましくそしてなんとも魅力的です。史実とフィクション上手いこと混ぜ込む手腕は見事だなぁ、と。それとなんと言ってもクトゥルーものには欠かせない、魚介類系ヌメヌメな生理的な気持ち悪さもあって満足でした。しばらく魚は食べたくない2013/02/26
アテルイ
3
黒衣伝説が、恐すぎたので口直しにクトゥルフ物を読んでみました。すこぶる面白かったです。2014/01/07
シナモン
3
オカルトちっくな噂が絶えないナチスとクトゥルー神話の融合作。お気に入りは「伍長の自画像」です。狂気山脈などのH.P.ラヴクラフトの作品を事前知識として読んでおくことをお薦めします。2013/03/09
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