内容説明
多民族国家中国―建国後の最大の政治課題は「国民統合」、それぞれ独自の帰属意識を持つ住民の間に共通した国民意識を醸成することだった。本書は中国東北地域・朝鮮族社会における外来言語文化の受容の考察を通じて、少数民族に対する中国の勢力拡張と支配の特徴を浮き彫りにする。
目次
第1章 建国から百花斉放・百家争鳴運動までの外来言語文化(中国の国内外環境と朝鮮族社会;朝鮮族社会の外来言語文化の受容過程)
第2章 一九五〇~六〇年代の外来言語の借用問題(多民族・多言語国家中国の一般言語事情;民族語純化運動の展開と日本語からの借用問題)
第3章 整風運動から一九六〇年代前半までの外来言語文化(中国の国内外環境と朝鮮族社会;朝鮮族社会の外来言語文化の受容過程)
第4章 文化大学命期における外来言語文化受容をめぐる論争(中国の国内外環境と朝鮮族社会;文化大革命期の外来言語文化の受容をめぐる論争)
第5章 改革開放から一九八〇年代末までの外来言語文化(中国の国内外環境と朝鮮族社会;中国東北地域における改革開放政策と朝鮮族社会の「日本語ブーム」)
著者等紹介
崔学松[サイガクショウ]
1973年生まれ、一橋大学大学院博士課程修了。博士(学術)。専門は東アジア地域研究および言語社会学。現在、東京大学教養学部非常勤講師、日本放送協会学園兼任講師など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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