内容説明
頭で考えていても、人生の悩みは解決しない。現代のストレス社会で幸せに生きるために必要な「技」とは?哲学・身体論・教育学を駆使した齋藤孝の集大成!
目次
第1章 生きることの豊かさを感じるために必要なこと(いつの時代も「憂き世」は変わらない?;「生きづらさ」の正体 ほか)
第2章 心と身体―西洋近代を追体験してみる(西洋近代を克服するために;われ思う、ゆえにわれあり ほか)
第3章 日本人は身体をどのように考えてきたか(武士の身体に学ぶ;武蔵が悟った「空」の境地 ほか)
第4章 教育と生き方の技法(「論より身体」の教育学;教師の身体が変われば、教室が変わる―身体の関係性 ほか)
著者等紹介
齋藤孝[サイトウタカシ]
明治大学文学部教授。1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『声に出して読みたい日本語』(草思社・毎日出版文化賞特別賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス・新潮学芸賞)など著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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spatz
12
突然ですが、あなたは今、幸せですか? という問いかけで始まる。 少しづつ読み継いだ。テレビ番組の監修をなさっていたりしてとにかく有名な方だが、その引き出しの多さ、自在に使える知識の深さが味わえる本だと思う。 頭でっかちになりがちな我々、身体論、を中心に世界中の哲学にとどまらず、いろんな知識が散りばめられている。読みやすい本です。 #NetGalleyJP2022/08/03
なおみ703♪
10
「幸せとは気づくことである」と脳科学者の茂木健一郎氏も言っていたが、齋藤氏は、頭だけで考えるのではなくて、身体的な側面を思い出すことで、豊かに生きることができるのではと哲学者の見方を紹介しながら提案している。齋藤氏の本は何冊も読んでいるので目新しくはないが切り口を変えて論じている。でも、説得力があり、復習にもなる。身体を通して得られたものはこれが本物だと感じやすい。「身銭を切る」感覚も重要。読メを記録しはじめた当初よりも本、音楽に触れている量が多くなったせいか、あー、分かると思う部分が多く楽しかった。2020/09/05
ありんこ
7
齊藤さんの本は数多く読んでいるので、改めて確認することも多かったです。ただ、コロナ禍で体を動かしたり、共同作業をしたりする機会が減っていることが日本人全体のストレスになりそうで心配です。上手に哲学を取り入れながら過ごしていきたいです。2022/07/17
Roko
6
”現代人は「頭でっかち」の状態” 今わたしたちが生きている世界には情報が溢れかえっています。何か知らない事や言葉にぶつかったとき、かつてなら辞書を引くとか、詳しい人に聞いていたのに、今はネットで調べると答える人が多いのです。それは確かに便利です。でも、答えだけ知って満足してないでしょうか?新しい知識を得て、そこからさらに展開するとか、実物を見に行くとかという実体験が伴なうことは、どれだけあるのでしょうか?身体的経験を通して豊かさを発見することを忘れてはいけないのです。#NetGalleyJP2019/09/20
老齢症状進行中
0
ともすれば頭でっかちで、考えや感情だけに支配されがちな現代人に身体の声に耳をかたむけましょう、身体を大切に扱いましょうということかな。(単純化しすぎですが)まあ、 呼吸にしても食欲も消化活動も私たちの思い通りにならないのですからね、この扱いにくい身体の存在をきちんと認めてあげましょう。2023/03/05