出版社内容情報
ソ連邦最大の敵となったタンク・ハンターの半生を綴った自伝
スターリンをして“ソ連人民最大の敵
内容説明
急降下爆撃機Ju87シュトゥーカを駆って戦車519輌、火砲150門以上を撃破し、戦艦1隻、駆逐艦1隻、上陸用舟艇70隻以上を沈め、航空機9機を撃墜した“スツーカ大佐”ハンス=ウルリヒ・ルーデル自伝。騎士鉄十字章、柏葉付騎士鉄十字章、柏葉剣付騎士鉄十字章、柏葉剣付ダイヤモンド騎士鉄十字章、黄金柏葉剣付ダイヤモンド騎士鉄十字勲章を受章。ヒトラーから再三地上勤務を命じられるもそれを拒否して出撃し、幾度も撃墜されながら、右足を失った後も義足で飛び続けた“東部戦線の鷲”がつづる闘志あふれる戦闘記録。
目次
雨傘から急降下爆撃機へ
対ソ戦
雷雨での飛行
レニングラード要塞をめぐる戦い
モスクワ目前
訓練と実践
スターリングラード
撤退
シュトゥーカ対戦車
クバン川とベルゴロドにて
ドニエプル川に後退
さらに西へ
ドニエストル川まで後退
運命の一九四四年夏
ハンガリーをめぐる戦い
一九四四年のクリスマス
最後の死闘
終局
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
18
独空軍版・大空のサムライ、という印象の戦記。独軍で今も最も有名な軍人の一人で、科学の戦争である航空戦において中世騎士絵巻を地で行く様な獅子奮迅の活躍とソ軍相手の確実に判明している多大な個人戦果を上げたハンス・ウルリヒ・ルーデル大佐の回想記。強悍かつ質朴なゲルマン男を絵に描いたような快男児であり、陰惨なナチスの戦争において彼の様な英雄(無論ルーデル以外の独軍人とて多くはあの時代に若者として生を受け祖国と民族のために純真に義務を果たした者達であることは忘れてはならない)が居たと知るのは意義深い。万人に一人とい2020/03/14
えーた
18
WWⅡにおけるドイツ陸軍戦車隊の総戦果は敵戦車五百輌以上。それと同数の敵戦車を、たった一人で葬り去ったのがハンス=ウルリヒ・ルーデル。その自伝。戦争は人間をあらゆる見栄や上辺から遠ざける。それゆえ、一途に祖国の為に尽くした一軍人の勇姿とその言葉の中には、ただただ純朴純粋な真理があり、それはどんな美辞麗句よりも美しい。「自分を見放したらそれこそ負けなのだ!」ドイツが無条件降伏して、彼も連合国側の捕虜となる最終章はワーグナーの「ジークフリードの死と葬送行進曲」を聴きながら読了。久々に感極まる読書体験となった。2020/02/17
poohr
3
第二次世界大戦、ドイツ空軍エースパイロットのルーデルの戦記である。彼については動画やウィキペディア等で見られ、ドイツを象徴する強い軍人のイメージがある。しかし、幼少期はひ弱で、戦争初期も冷遇され思い悩んでいた。意外な人間性が読み取れた。私の中で彼のイメージが変わった本である。2020/08/06
ともしろ
0
前人未到の極地に届くということ。 鬱屈とした感情も含め、その精神の強靭なこと強靭なこと。 一人の人間の壮絶な覚悟に基づいた行動は世界を変える力がある事を教えてくれる名著