出版社内容情報
本書は、韓国語の形態音韻論的現象を研究の俎上に載せ、その態様を描出せんとするものである。音素、音節、形態素、単語――形と形――がおのおの接合すると、いかなる現象が生起し、その背後にはいかなる原理が伏流しているのか。これまで存在自体は知られていても、十分には考検されてこなかった現象群を具に剖析することによって、韓国語の興味深い様々な言語事実を精緻に焙り出すことが本書の目的である。
何故に形態音韻論を韓国語において問うのか――その解は分明である。日本列島周辺の言語を見渡してみても、現代韓国語は形態音韻論的な変容が相対的に極めて激しい言語だからである。韓国語の面白さの真髄は形態音韻論に在るとさえ言える。しかしながら、これまで日本語で読める韓国語形態音韻論の本格的研究書はなかった。新進気鋭の言語学者が、アクセント、〈n挿入〉、濃音化などといった現象を、豊富なデータを基に切開し、韓国語の妙味に鋭く迫る。
内容説明
韓国語の面白さの真髄は形態音韻論にある。新進気鋭の言語学者の筆になる、日本初の韓国語形態音韻論の本格的研究書。
目次
第1部 アクセント論:大邱方言を対象に(大邱方言のアクセント体系;大邱方言のアクセント型の生起頻度 ほか)
第2部 “n挿入”攷(“n挿入”とは何か;先行研究の概観と考察 ほか)
第3部 “流音後濃音化”小論(“流音後濃音化”とは何か;先行研究と研究方法 ほか)
第4部 混成語形成の形態論(“混成語形成”とは何か;先行研究 ほか)
著者等紹介
辻野裕紀[ツジノユウキ]
愛知県名古屋市生まれ。九州大学大学院言語文化研究院准教授。専門は言語学、韓国語学。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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