出版社内容情報
今や企業が人を選ぶだけではなく、人も企業を選ぶ時代だ。人材が流動化する昨今、日本でも優秀な人材の獲得・育成競争はすでにはじまっている。マッキンゼーによる詳細な調査によって明らかになった、有能な人材の集め方、マネジメント人材の育成法、効果的な人材マネジメント法などを、大企業から、ネット関連のベンチャー企業まで、豊富な事例を取り上げ紹介する。「日本版ウォー・フォー・タレント」も収録。
内容説明
産業が製造から情報へ移り、高度な管理能力が必要とされる現代は、人が企業を選ぶ時代である。企業にとって、有能な人材を確保することが、ますます重要な課題になっている。マッキンゼーのウォー・フォー・タレント調査に基づき、なぜ人材を重視するべきか、いかに有能な人材を集めるのか、その人材をいかに育てるべきかを5つの法則に従って明らかにしていく。
目次
第1章 人材育成競争―ウォー・フォー・タレント
第2章 マネジメント人材指向こそ経営層の要件
第3章 人材を引きつける魅力の創出
第4章 リクルーティング戦略の再構築
第5章 マネジメント人材が育つ組織
第6章 人材マネジメントにおける選択と集中
第7章 マネジメント人材育成への挑戦―一年で大きな成果を
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
52
常に問われ続ける人材育成。「5つの行動指針」は、長年の成果であるが故に核心と感じる。EVPを踏まえた経営層の胆力!ではなかろうか。無論言うまでもなく、1人1人の社員も義務と責任は伴う。一方、指針は抽象的な概念であり、目新しさは少ない気もする。言い換えると、事例が”肉付け”の参考となり、読者それぞれのToBeをイメージする助力とすべきかもしれない。業績の違いと人材育成の相関関係の裏付けが必ずしもない、と言う正直なコメントは印象的であり好感。能力を引き出すのは、企業と個人の相性もあるよなぁ。2017/03/31
ともさち
8
マネジメント人材をいかに獲得するかが、将来的な企業の業績向上につながる。なので、マネジメント人材志向をもって、獲るか育てようという本。少し古い本ながら、優秀なマネジメント人材が惹かれる条件等、勉強になる。2016/02/10
Koichiro Minematsu
6
有能な人材は米国では、探すことも必要だが、人材育成こそが、高業績の企業に発展する。 社員のクラス別、メンター制度、コーチング+フィードバックにどれだけ時間をかけるか!ということ。 「鉄の手にベルベットの手袋をはめて」印象に残った言葉です。2015/03/07
篠田イツキ
5
タレントマネジメントの元祖とも言える本であり、今でも非常に有益かつ地に足のついた調査とケーススタディの数々が掲載されている。アメリカの企業を調査対象としており、日本企業の参考になるか?という質問を受けたとしたら、答えはイエスになる。本質的な課題は同じであり、何より日本の人事をめぐる環境や採用市場はどんどんアメリカナイズされている。そのため、かなり年季の入った本ではあるが、今でも新鮮に読むことができるのではないだろうか。2019/04/07
ぽりま
4
人材育成って本当に言うが易しの世界だと思う。特に新たな育成制度を確立する場合には。採用、研修、評価、昇進制度全てが噛み合わないといけないし、マインドがついてこれない社員には鬼にならなきゃいけないわけだし。「ボトムアップではダメ。トップマネジメントの断固たる決意が必要」と、ある大企業で人材育成研修を担当する妻を隣に見ながらこの本を読んで強く思う。世では「働き方改革」がもてはやされているが、個人的には人材育成(とそれを支える諸制度)こそが、日本経済の浮沈を握る最も重要なテーマだと思っている。2018/12/17