出版社内容情報
昨年の1月刊行後(原書は1997年刊行)、ロングセラーの『イノベーションのジレンマ』。米国ではすでに古典的名著といわれるほど高い評価を確立しています。今回米国改訂版刊行(2000年刊行)に際し、データの更新に加え新たな章を補強して「改訂版」として登場!
【目次】
日本版刊行にあたって
謝辞
序章
第一部 優良企業が失敗する理由
第一章 なぜ優良企業が失敗するのか
-ハードディスク業界に見るその理由-
第二章 バリュー・ネットワークとイノベーションへの刺激
第三章 掘削機業界における破壊的イノベーション
第四章 登れるが、降りられない
第二部 破壊的イノベーションへの対応
第五章 破壊的技術それを求める顧客を持つ組織に任せる
第六章 組織の規模を市場の規模に合わせる
第七章 新しい成長市場を見出す
第八章 組織のできること、できないことを評価する方法
第九章 供給される性能、市場の需要、製品のライフサイクル
第十章 破壊的イノベーションのマネジメント-事例研究-
第十一章 イノベーションのジレンマ-まとめ-
『イノベーションのジレンマ』グループ討論の手引き
解説
訳者あとがき
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
72
これも名著だと思います。ある事業に成功した企業は、その成功体験に囚われ、現在のシェアを守るため、目の前の顧客が求めるニーズに沿うように必死でイノベーションを続ける。すると、常識に囚われない破壊的イノベーションを起こすベンチャーに取って代わられるという話。今のシャープや、ソニーが陥ったのが、まさにその状態か?ジョブズ亡き後のアップルの将来は如何に?破壊的イノベーションを起こす起業が現れるのか?【追記】今年で上梓20年になるそうだ。それを記してハーバードビジネスレビューで特集。やっぱり名著なのだね。★★★★
Nobu A
68
久々のHBS本。何年振りだろう。二昔振りぐらい。増補改訂版01年刊行。「持続的イノベーション」の対比に何度も繰り返される「破壊的イノベーション」と言うキーワード。コロケーション的にどうなの?「革新的イノベーション」じゃダメなの?元の英語は何なの?等々、読書中ずっと気になりっぱなし。最後に「disruptive innovation」と記載があり腑に落ちた。著者のHBS教授が25年程前に提唱した概念がタイトル。事例はやや古いが、色褪せない内容。密度が濃く、読むのに集中力と体力が必要。時間をおいて再読も必要。2023/02/04
KAZOO
54
非常にいい本だと思います。このような本で何度も読み返す本というのはあまりありません。優良企業が失敗する理由と破壊的イノベーションへの対応とわかれていてそれぞれ事例を挙げて理解を深めてくれます。確かにアメリカの大学の授業くらいの密度の濃さはあると感じました。2014/11/07
hit4papa
49
本書は、時の有力な大手企業を衰退させることがあるイノベーションの本質について、事例を交えながら論考するものです。破壊的イノベーションに直面すると優れた経営であっても失敗をおかすことが多いと述べます。マネジメントが導き出すであろう戦略は、市場の動向や顧客のニーズに基づくものゆえに、市場そのものが存在しない局面では、安定経営から抜け出せないというのが大きな理由です。パラダイムをシフトできる企業は、内的外的要因でそれが最も難しいからこそ、勝ち残ってしかるべきなんでしょうね。 2016/08/08
ひろき@巨人の肩
43
Audiobookにて。優良な大企業こそ、そのバリューチェーンと行動様式により陥ってしまうジレンマ。スマホによるスタートアップの台頭から、破壊的イノベーションとは超越した技術革新性が重要だと錯覚していたが全く異なる。それは、成熟した既存市場に別市場で開発された新製品がバリューチェーンごと攻めてくること。新製品は異なるバリューチェーンにより低コスト・低収益化を実現しており、既存市場内でニッチな競争を続ける大企業では攻勢を防げない。企業が持続性を担保することが如何に重要で困難であるか、よく分かった。2018/12/16