へんしんできないカメレオン

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へんしんできないカメレオン

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  • サイズ A4変判
  • 商品コード 9784798075471
  • Cコード C8798

出版社内容情報

カメレオンのコリンは、赤い体をしている。
ほかのカメレオンとちがって、まわりの環境に合わせた色に体色を変えられない体質。赤い体はどこにいても目立ってしまい、危険にさらされている。
そのため、「コリンといると獲物に見つかってしまうし、ヘビや鳥に狙われて危ない」と、仲間外れにされている。きょうだいが虫をつかまえて食べているときも、コリンはじっと葉っぱの裏にかくれていなけばならなかった。
しかし、森の一角に、カメレオンたちにとってとても危険なエリアがあった。すごい勢いで車がビュンビュン通る道路がそれ。仲間の何匹もが車にひかれて死んでしまったので、カメレオンたちは怖くて近づけない。その向こうにはおいしそうなテントウ虫やトンボがたくさんいるのが見えているのに。
ある日、コリンは、かくれていた枝から飛ばされてしまい、道路に着地。大きな車が、赤いコリンを見て「よく見て渡れよ」「止まれ」と言いながら、コリンを避けて通っていく。コリンは無事にいつものエリアに戻ってこれた。それをたくさんのカメレオンたちが見ていた。
「コリンといれば、あの道路を渡れるぞ!」
コリンは、ついておいでとばかり道へと歩き出し、車たちを見事に止め、仲間を安全に「おいしそうな虫たちのいるエリア」に導いた。
「勇敢で聡明なコリン!」――それまで「あいつといると危ない」と言っていた皆は、青々と草がしげる森で緑色に体色を変えてごちそうを食べながら、赤いコリンをたたえるようになった。
――なぜ自分だけがまわりとちがうのか。苦しんだコリンは、そのちがいを活かしてこそ、自分を特別な存在にし、より大きな脅威から大切な家族や仲間を守れることに気づいたのだった。


【目次】

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