短い言葉が心に刺さる文豪のぼやき

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784798063096
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

命をけずるようにして文章を書いた文豪たちの「ぼやき」は、現在SNSにあふれている「ぼやき」とはひと味もふた味もちがいます。読むだけで、心に刺さるような「ぼやき」は、どのようにして生まれたのかを解説する一冊です。

内容説明

しっかり印象に残る短言38。「言葉の力」を信じる作家たちの名文を読み解く一冊。

目次

第1章 ネガティブだけど心に響くようなぼやき(生まれて、すみません(太宰治)
ハナニアラシノタトエモアルゾ「サヨナラ」ダケガ人生ダ(井伏鱒二) ほか)
第2章 恋愛におけるつらさを芸術的にぼやく(しかし君、恋は罪悪ですよ。(夏目漱石)
今月今夜のこの月を僕の涙で曇らせて見せる(尾崎紅葉) ほか)
第3章 社会のひずみについてのぼやき(とかくに人の世は住みにくい。(夏目漱石)
呑気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする(夏目漱石) ほか)
第4章 悲しみと悟りを同時に得たときのぼやき(わが行く道に茨多しされど生命の道は一つこの外に道なしこの道を行く(武者小路実篤)
人生は地獄よりも地獄的である。(芥川龍之介) ほか)
第5章 短い言葉で悟りの境地を語る(我職業は天与の任務なり、之を愛重せざるは天与を辱むるものなり。(清沢満之)
道徳と冷静とは、人類を下等動物より区別する所の主なる性質也。然れども吾人に最大の幸福を与え得るものは是の両者に非ずして実は本能なることを知らざるべからず。(高山樗牛) ほか)

著者等紹介

山口謠司[ヤマグチヨウジ]
1963年、長崎県生まれ。大東文化大学教授。博士(中国学)。大東文化大学大学院、フランス国立高等研究院大学院に学ぶ。専門は文献学。『日本語を作った男 上田万年とその時代』(集英社インターナショナル)で第29回和辻哲郎文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

74
文豪たちの名文を集める。太宰治や夏目漱石等の馴染みの文も多い。これを「ぼやき」と言っていいのだろうか。最近のツイートに見られる薄っぺらく荒れた日本語に意義を唱えたくて、あえて「ぼやき」としてまとめたのかもしれない。「文豪たちは、命を懸けて言葉を綴った」と著者は述べている。私自身もっと言葉を大切にしなければと思う。苦しげな文が多い中で救いとなった一文。新美南吉「よくねむったあとでは、人間でも蛙でも、きげんがよくなるものであります。」2021/01/19

Natsuko

13
昨年の今頃から、結構好きを自覚している「文豪」。今年もまた急に熱が高まり何冊かまとめて予約。まずはぼやきから。率直な感想は、意外と真面目なタッチ🤭期待していたのは、ダメ人間だけど愛される、幼稚でユーモラスなぼやき文豪のイメージだったが…文学史をしっかり学び名言を辿った感じ😅5章にわたる40ものぼやきの中で、やはり太宰さんのパンチ力が別格。2021/05/07

真琴

6
「文豪たちは、命を懸けて綴った。たとえ「ぼやく」にも、原稿用紙の一マスに、その命を込めた」(本文より) 文豪たちの時代にTwitterがあったら、こんなふうに「ぼやく」んだ。 興味深く読みました。2021/01/14

いのふみ

1
「ほとんど知ってるわ」と思っていたが、発言がなされた背景や、漢字の意味までも考え合わせると、なかなか真情とともに迫ってくるものがある。2023/05/26

azu3

1
とてもとても面白かった。有名な一節の背景や作者その人を解説していて、どれも読みたくなる。なんとなく日本文学を敬遠してきた私も、十代でこの本や筆者と出会っていればな、と思った次第。2021/03/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16823513
  • ご注意事項

最近チェックした商品