出版社内容情報
一度でも我に頭を下げさせし
人みな死ねと
いのりてしこと
(一度でも俺に頭を下げさせた奴ら みんな死にますように)
これは歌集『一握の砂』に収録された石川啄木の一首。
啄木は、夭折の天才歌人として才能に恵まれながらも、
世に恵まれず清貧に甘んじたイメージがつきまとう。
だが、実際の啄木には、文才はあるものの、
実はクズ男ではないかと疑いたくなるエピソードが多い。
その極めつきが本書で取り上げる『ローマ字日記』だ
全てローマ字書かれたこの日記の中で、啄木は、
「浅草に通い遊女を買ったこと」
「家族への送金を渋っていること」
「仮病を使って会社を休みまくったこと」
などを、かなり赤裸々に書いている。
本書では、他にも太宰治、夏目漱石、芥川龍之介、
島崎藤村、坂口安吾、宮沢賢治、谷崎潤一郎、佐藤春夫、
そして有島武郎の合計10名を取り上げ、
「人としての文豪」あるいは「文豪のリアルな肉声」をご紹介する。
夏目漱石は、読み手を憂鬱にさせる名言をいくつも書き残している。
太宰治もまた、絶望に満ちた人生を送り、結局そのまま死んでしまった。
その太宰以上に猟奇的な心中を果たした有島武郎や、
姪との近親相姦を描いた自伝小説『新生』を取り上げる島崎藤村、
冒頭の石川啄木も加えて、あまり類書には出てこない文豪も取り上げた。
本書では500を超える名言・名文を取り上げるが、
それぞれ文豪が人生をはかなみ、社会に唾を吐き、
人間関係をぶち壊しにしていくという、
読み手を鬱々とさせるものばかりを集めた。
憂鬱、絶望、厭世、狂気に満ちた本書を読めば、
文豪がますます好きになることは間違いない。
彼らは「言いたいこと」を素直に、極端に、
鋭利に言ってくれるので、爽快感の切れ味が違う。
これまでにないほどたっぷりマイナスイメージに浸った後は、
もうきっとプラスの感情しか湧いてこないはず……。
一味違った名言本の良さを、ぜひ体感してみてほしい!
【目次】
第1章 太宰治のネガティブ語録
暗すぎてウケる! 文豪界随一の絶望名人
第2章 石川啄木の『ローマ字日記』
娼婦、借金、無断欠勤も赤裸々なクズの証明録
第3章 夏目漱石の厭世語録
エリート出身の大文豪が綴る憂鬱な呟き
第4章 芥川龍之介の『侏儒の言葉』と晩年
「文豪が憧れた文豪」が零した怜悧な嘲り
第5章 島崎藤村の『新生』
これぞゲスの極み! 姪を妊娠させた狂気
第6章 坂口安吾の無茶ぶり名言
叱咤激励を超えて罵詈雑言の境地か
第7章 黒い宮沢賢治
イーハトーブの深い闇
第8章 ドマ
内容説明
憂鬱さえも美しく書き表す文豪たちの妙技。
目次
第1章 太宰治のネガティブ語録―暗すぎてウケる!文豪界随一の絶望名人
第2章 石川啄木の『ローマ字日記』―娼婦、借金、無断欠勤も赤裸々なクズの証明録
第3章 夏目漱石の厭世語録―エリート出身の大文豪が綴る憂鬱な呟き
第4章 芥川龍之介の『侏儒の言葉』と晩年―「文豪が憧れた文豪」が零した怜悧な嘲り
第5章 島崎藤村の『新生』―これぞゲスの極み!姪を妊娠させた狂気
第6章 坂口安吾の無茶ぶり名言―叱咤激励を超えて罵詈雑言の境地か
第7章 黒い宮沢賢治―イーハトーブの深い闇
第8章 ドマゾの谷崎潤一郎VS狭量な佐藤春夫―暴走する奴隷願望と独白する毒舌文豪
第9章 闇落ちしていく有島武郎―白樺派唯一の闇キャラが残したダーク名言
著者等紹介
豊岡昭彦[トヨオカアキヒコ]
1960年、山形県生まれ。日本文学研究家、大和心研究会主宰。大学卒業後、大手メーカーでの商品開発やマーケティングを経て、1990年代からはIT系出版社に勤務。Macintoshの専門誌の編集をおこなう。インターネットやDTPなどの特集を担当。1998年からは編集長。2001年、日本政府主管の「インターネット博覧会」のNewsサイトを担当する。2002年からフリーランスとして歴史・文学関連書籍、情報誌、女性誌などを中心に執筆、編集をおこなっている
高見澤秀[タカミザワマサル]
1954年、長野県生まれ。編集プロダクション(有)マイストリート代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
ベイマックス
キムチ
Kurara
ももすけ